カメレオン飼うのって難しい?すぐに死ぬ?ストレスに弱いは本当か【体験談】
この記事では、カメレオン飼育の難しさについて、わが家の体験談と対処法を紹介します。
ペットとしてのカメレオンについて調べると、
- カメレオンは難しい
- すぐに死ぬ
- 神経質でストレスに弱い
などなど、現実でもネットでも言われたい放題です。
この記事に辿り着いたあなたらなら、きっとこういった話をどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?
今からカメレオンと暮らしたいのに不安になったり、飼育の問題にぶつかるとやっぱりそういうものなのかと諦めたくなってしまうかもしれません。
確かに、実際にカメレオンと生活しているわが家でも、カメレオン独特の飼育の難しさを感じます。
主な難しさの原因は、
- 温湿度管理の難しさ
- 飼育情報の少なさ
- 健康管理の大変さ
の3つの要素だと思っています。
どれもカメレオンに独特だったり、他の生き物よりずっと気を配らないといけなかったりすることです。
しかし、難しい要素があるからといって「カメレオンは難しくてすぐに死んでしまうからペットにできない」ということではありません。
幸いにも現在では、今までのカメレオン飼育者たちが得た多くの経験から、ある程度の対処法がわかってきているからです。
そこで今回は、カメレオンの飼育が難しいと言われる3つの原因と、わが家での対処法を紹介します。
「今からカメレオンと暮らしてみたい!」という方や、「すでにカメレオンと暮らしているけど難しくて悩んでいる…」という方はぜひ参考にしてみてください。
カメレオンの温湿度管理は難しい
カメレオンの温湿度管理
- 年中空調家電に頼り切り
- 家電の自動運転では精度が足りない
【対処法】スマートホームでかなり精度を上げられる
カメレオンと生活するうえで、最も難しいと感じるのが温湿度管理です。
カメレオンが健康に楽しく生活するためには適切な温湿度管理が欠かせません。
なにがそんなに難しいのかとわが家の対処法を見てみましょう。
そもそも「カメレオンの温湿度管理がどのようなものかわからない!」という方は、温湿度管理の考えたかを解説した記事がありますのでこちらもどうぞ。
一年中空調家電に頼り切り
カメレオンの生息地である熱帯地域と日本の気候は全くことなります。
カメレオンに最適な温度と湿度を維持するためには、一年中、空調家電が頼りです。
- エアコン
- 加湿器
- 除湿機
わが家でこれらの空調家電をどれも使わない、という日は1年で10日あるかないかです。
もちろんお住まいの地域によって気候が違うので、なかにはもう少し使用しない日が多い場合もあるでしょう。
それでもカメレオンの生活環境を維持するとなると、何がしかの空調家電が稼働している日のほうが遥かに多いはずです。
それだけカメレオンに適切な環境と日本の環境はかけ離れている、ということです。
これがカメレオン飼育の温湿度管理を難しくする根本的な原因と言えます。
家電の自動運転では精度が足りない
現在の空調家電には多くの場合で“自動運転”の機能があります。
エアコンには設定温度もあり、自動で目的の温度にコントロールしてくれそうです。
しかし、この自動運転レベルの精度ではカメレオンのためには全く役に立ちません。
エアコンの自動運転では、気づいたら目的の温度から平気で±2℃くらいずれています。
たったそれぐらいのずれなら問題ないのでは?と思われるかもしれませんが、カメレオンにとってはまさに命に関わるほどの大きな差です。
わが家にはじめてのカメレオン“かーくん”がやってきたときは、一日中温度計に気を配り、季節によっては1時間おきにエアコンの微調整をしていました。
いくら最新家電の自動運転でも、カメレオンの求める温度と湿度を保つには精度が全く足りません。
【対処法】スマートホームでかなり精度を上げられる
カメレオンとの生活で常に配慮が必要な温湿度の管理ですが、スマートホームの導入でかなり精度を上げることができます。
スマートホームは家電製品や家の設備などをネットワークで接続してコントロールする仕組みです。
温湿度計機能のある製品もあり、
- ◯℃になったらクーラをつけて×℃で切る
- 夜間は◯℃以下になったら予備の保温球をつける
- ◯時になったらカーテンを閉める
といったカメレオンの温湿度管理に関する様々なサポートを、私たちに代わって自動で行ってくれます。
実際にわが家で使用しているスマートホームの製品では、夜間の温度変化を0.7℃、よりコントロールの難しい日中でも1.5℃の範囲に収めることができています。
導入時の初期設定などの手間はありますが、人の手で行うよりはるかに高精度かつ簡単に温湿度管理を自動化してくれる心強い味方です。
わが家が初めてのカメレオン“かーくん”と暮らしはじめた時は温度管理ができるスマートホームのデバイスは存在しませんでした。
しかし、今では温湿度管理ができる製品もあり、エアコンの自動コントロールにスマートホームを導入できたおかげてカメレオンとの生活が本当に快適になりました。
一例としてわが家で導入しているSwitchBotの防水温湿度計を紹介した記事がありますので、こちらも見てみてください。
カメレオンの飼育情報は少ないから難しい
カメレオンの飼育情報
- トラブルの原因がわからないから対処が難しい
- 少ないなかに間違った情報に溢れている
【対処法】信頼できる情報源を探すことが大切
カメレオン飼育ですぐに気が付く難しさが、カメレオン飼育に関する情報が極端に少ないということです。
飼育情報が少ないことでどのような難しさがあるのかと、その対処法を見てみましょう。
トラブルの原因がわからないと対処できない
カメレオンの飼育情報が少ないことの弊害が、トラブルの原因がわからないことです。
例えば、
- 食欲が落ちた
- お水を飲まない
- 病気になった
など、カメレオン飼育にありがちなトラブルが起こった際、一生懸命情報を集めようとしてもそもそも情報が見つからない、という状況に遭遇します。
何か情報が見つかって対処法がわかれば改善することができますが、原因がわからないとどうしようもありません。
これが犬や猫、あるいは爬虫類でも人気の高いフトアゴヒゲトカゲやヒョウモントカゲモドキであれば豊富な情報が得られます。
トラブルを解決するための情報が手に入りにくいことがカメレオン飼育の難しい点の一つです。
少ないなかに間違った情報が溢れている
ただでさえ手に入りにくいカメレオンの飼育情報ですが、さらにその少ない情報のなかに間違った情報が溢れています。
それは私たちのような一般人はもちろん、ペットショップやブリーダー、獣医の先生まで、情報源となる人の信頼性に関係なく誤情報を発信することがあります。
間違った情報をもとにカメレオンに接すると、健康を損なってしまうこともあります。
特にSNSでは気軽に情報を得られるのと同時に、その誤情報の量も多いです。
“それがないと健康を保てない”という必須アイテムの紫外線灯やカルシウムサプリメントを「不要だ!!」と吹聴して回るようなアカウントすらあります。
まさに間違った情報が溢れているといっても過言ではありません。
【対処法】信頼できる情報源を探すことが大切
決して豊富と言えない情報から正しい情報を精査するのは難しいです。
しかし、もちろん信頼できる情報源もあります。
科学的な根拠を示していたり、野生下のカメレオンを研究していたり、責任が伴う発信方法で複数の人の目で精査されたものが信頼できる情報源です。
わが家がおすすめしているのは、
- 書籍の情報
- 海外のカメレオン専門サイト
の2つです。
書籍の情報は出版に関する責任を負うため、複数の人の目を通して内容の精査が行われます。
有料なのがデメリットですが、無料の情報源より信頼できる情報源です。
海外のカメレオン専門サイトは圧倒的な経験値があったり、中にはカメレオンの生息地に直接出向いて調査活動を行なっているような団体も含まれます。
一次情報を豊富に含んだ海外サイトは非常に信頼のできる情報源だと言えます。
詳しくは間違った情報に振り回されない方法をまとめた記事があります。
おすすめの書籍や海外のカメレオン専門サイトの紹介もしていますのでこちらをご覧ください。
カメレオンの健康管理は気が抜けなくて難しい
カメレオンの健康管理
- カメレオンは体調不良を隠すのがうまい
- カメレオンはとても臆病な生き物
【対処法①】毎日少しでも多く観察して触れ合う
【対処法②】極力カメレオンの嫌がることをしない
カメレオンの健康管理は犬や猫、他の爬虫類よりさらに気を抜けません。
すぐに死ぬとか、ストレスに弱いと言われるのは、常に最善の健康管理をしないといけないからです。
健康管理については、こうすれば絶対大丈夫という方法はありません。
ただし、カメレオンの健康をより良く保つためにわが家が行なっている方法がありますので、あわせて紹介したいと思います。
カメレオンは体調不良を隠すのがうまい
爬虫類は犬や猫より病気を隠すのがうまいと言われますが、カメレオンは特にその傾向が強いです。
カメレオンに突然死が多いと言われるのは、そのサインを読み取るのが難しいからです。
一見して誰でもわかる症状が出たときには、命の危険が迫った状態ということが少なくありません。
例えばカゼは多くのカメレオンが罹る病気です。
しかし、ただのカゼでもカメレオンをよく理解して早く対処しないと命を落とします。
病気を隠すのがうまい、カメレオン独特の小さなサインを読み取るのは慣れていても難しいです。
このサインに気付けないと、いきなり死んでしまうように見えるので「カメレオンはすぐに死ぬ」と言われるのだと思います。
カメレオンはとても臆病な生き物
さらに、カメレオンがストレスに弱いと言われる理由は、とても臆病な生き物だからです。
カメレオンは昆虫を獲物として追う捕食者であると同時に、より大きな生き物に狙われる被食者です。
他の似たような体格の爬虫類も同じような立ち位置ですが、カメレオンはトカゲほど早く動けず、ヘビの毒ような武器もありません。
自分が早く動けないし、強くもないことをカメレオンはよくわかっています。
そんな臆病なカメレオンは私たち人と暮らしていると、信頼関係ができるまではストレスを感じることになります。
ストレスを感じたカメレオンは食事が喉を通らなかったり、水が飲めなかったり、体調を崩しやすい状態です。
こういったカメレオンの臆病さをよく理解して接しなければ、それだけでカメレオンの健康状態は知らず知らずに悪化してしまいます。
カメレオンがストレスに弱いというよりも、臆病なカメレオンにストレスを与える飼育法のために体調を崩してしまいがちだといえるでしょう。
【対処法①】毎日少しでも多く観察して触れ合う
カメレオンの健康に関するサインを見つける方法は、毎日できるだけ多く観察し、直接触れ合って異変に気づくほかにありません。
わが家が当ブログでも繰り返しお伝えしているのが、
- 体調管理表の作成
- ハンドリングによる健康チェック
の2つを行うことの重要性です。
これら2つのことを毎日していれば、些細な変化にも気づける可能性があがります。
毎日少しでも多く観察し、直接触れ合うことがカメレオンの健康サインを見つける唯一の方法です。
カメレオンの体調管理表のつけ方についてまとめた記事がありますので、ぜひこちらも読んでみてください。
またいざと言うときのため、カメレオンをしっかり診察してくれる病院を事前に探しておくことも大切です。
カメレオンが健康なうちに信頼できる病院を探しておきましょう。
カメレオンの病院の選び方を紹介した記事もありますので、チェックしてみてください。
【対処法②】極力カメレオンの嫌がることをしない
カメレオンはとても臆病ですが、同時にとても賢い生き物です。
きちんとカメレオンのことを理解して接すれば、信頼関係を築くことができます。
カメレオンとの信頼関係を築くうえで何よりも大切なのが、嫌がることをしないことです。
私たちのことを危険でもなく嫌がることもしない、と理解してはじめて信頼してくれます。
リラックスしたカメレオンは好奇心旺盛で、とてもやんちゃな楽しい家族になってくれます。
カメレオンのストレスを最低限にして、信頼関係を築けるように嫌がることは極力しないようにしましょう。
具体的に何を嫌がるのかはハンドリングの方法をまとめた記事で解説していますので、こちらを参考にしつつ接してあげてほしいと思います。
こんなふうにカメレオンと信頼関係を築くというと、「爬虫類と信頼関係なんて…」と思われる方もいるかもしれません。
しかしわが家では、カメレオンは私たち人と双方向のコミュニケーションができる生き物だと考えています。
詳しくはカメレオンはなつくのかの記事に考えをまとめましたので、ぜひ一度目を通してみてください。
カメレオン飼育は難しいのか まとめ
今回は巷でよくいわれる、カメレオン飼育は難しいという話題について、わが家での体験談と実際に行なっている対処法について紹介しました。
カメレオン飼育は最善を尽くしてなお難しい部分も多いです。
しかし幸いなことに今までのカメレオン飼育者の試行錯誤から、すでに対策できることも増えてきています。
わが家では、はじめてのペットがカメレオンです。
一般に難しいと言われる生き物ですが、お世話になっているブリーダーの方のサポートもあり、今のところカメレオンの原因不明な急死という状態には遭遇していません。
むしろ、パンサーカメレオンの繁殖にも成功するなど、安定的にカメレオンと楽しく生活できています。
わが家が得た経験は、今後もこのブログを通してほかのカメレオン飼育者のみなさんに共有していくつもりです。
カメレオンと真摯に向き合う気持ちと、正しい飼育情報があれば、多くの場合で良い結果に結びつくと信じています。
今回はカメレオンと生活するうえで、特に難しいと思った部分を紹介しましたが、カメレオンとの暮らしがどのようなものかペットとしての特徴を解説した記事もあります。
ペットとしてのカメレオンについてもっと知りたい場合はこちらもチェックしてみてください。
この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。