2023.05.06 2023.08.10

プロの仏師に依頼したカメレオン用の位牌!! ペットと弔いの形【体験談】

かーくんちゃんねる〜カメレオンのいる生活〜

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今回は今年わが家で息を引き取ったカメレオン“めーちゃん”と、その家族のためにあるものを用意しました。
それがカメレオン用の位牌です。

ペットとの暮らしの中で避けられないのが別れの時。
一緒に暮らした家族と別れる際に、心から満足のいく形で弔ってあげたいと言うのは誰でも同じだと思います。
心の整理や節目のために動物のお葬式や霊園、その他仏具も昔に比べると普及しています。

しかし、現代の核家族化が進んだ世相や住宅事情から、「仏壇」のあるお家はグッと減っているのではないでしょうか？

お家に仏壇がない
仏具然とした位牌に抵抗がある
思いのこもった位牌にしたい

わが家も仏壇のない家ですが、カメレオンのために手を合わせることはしています。
仏壇と呼べるか微妙な、家具調のミニ仏壇を部屋に置くことにしました。

ただ、仏具感のある位牌を部屋に置くのが難しく、なかなか頭の痛い問題でした。
仏教や仏具と距離が広がっている現代に、あえて本物の仏師にカメレオンの位牌を製作していただいたお話しをしたいと思います。

私たちは普段、カメレオンの飼い方に関する情報を発信しています!!
カメレオンとの生活はとても楽しいので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

カメレオンの位牌を紹介

早速ですが、こちらが今回プロの仏師の方に製作を依頼した位牌です。

カメレオンの位牌

製作者…仏師鈴木謙太郎
サイズ…13cm×10cm×4.5cm
重量…51g
製作期間…依頼から到着まで23日
製作費…送料込み 31,000円

↓製作者のサイトはこちら
仏像の工房　仏師　鈴木謙太郎

台座の蓮の花の上に、木の枝に掴まったカメレオンが彫られています。
表面はかなりすべすべですが、完全に彫刻刀のみで仕上げ、やすりやサンドペーパーは使用していないとのことです。

いかがでしょうか？
わが家はとても気に入っています。

カメレオンの独特な体の造形をそのままに、とても可愛らしくデフォルメされていると思います。
こちらからは必要かと思い参考資料として10枚程度の写真を送っただけでしたが、さすがプロ、形を写しとるだけでなく仏様として手を合わすのにふさわしい佇まいです。

何よりも安らぎに溢れ、満ち足りた表情が私たちにも癒しを与えてくれます。
現物を前にすると、目を瞑っているのに何か目があったような不思議な感覚です。
お寺で仏様を拝覧した際に、仏様に見られているような感じがするのですが、その感覚に似ています。
既製品の位牌では得られない、仏師が製作したからこその表情ある位牌です。

背面には通常の位牌と同じように文字を入れていただいています。
後述しますが、これからわが家で過ごしていくカメレオンたちのため、代々の位牌としました。
当然文字も手彫りです。

製作費も既製品の位牌の中では少し高価かな？位で、予想していたほどの高額ではありませんでした。
製作していただき本当に良かったと満足しています。

位牌が必要だと考える理由

すでに述べた通り、わが家には仏壇がありません。
なぜわざわざカメレオンのために位牌を作ると言う結論に至ったのか、その理由をお話ししてみます。

手を合わせる「何か」が必要

人の場合、大きな節目の法事はお墓のあるお寺などで執り行われ、お墓にも手を合わせます。
しかし私たちは、最期には私たちと同じお墓にカメレオンのお骨も納めて欲しいという思いから、動物霊園ではお墓を作っていません。

お墓の代わりに、大きな節目に手を合わせられる「何か」が必要です。
わが家では、それが遺影と位牌でした。

カメレオンは短命・多産多死

前述の通り、今回の位牌はめーちゃん家代々の位牌としていますが、これはわが家の目標である累代飼育が大きく関係しています。
めーちゃんを含め、わが家で暮らしたカメレオンたちの生きた証として、その遺伝子を残していきたいと考えているのです。

しかし、カメレオンの一生はとても短いです。
大型種であればある程度長い時間を共にできますが、わが家で暮らしているカメレオン、パンサーカメレオンの寿命は3〜5年。
多くの場合は3年程度で別れの時がやってきます。

また、めーちゃんはわが家の目標“累代飼育”の第一歩となる、息子の“あーくん”を遺してくれています。
あーくんは無事に育ちましたが、その兄弟姉妹の多くは最初の1ヶ月を越えられずに亡くなってしまっています。
卵の状態から孵化できるのが約半数、さらに孵化後1ヶ月を迎えられるのがその半数です。

カメレオンが短命であることと、多産多死であることから、各カメレオンごとに位牌を準備していくと部屋が位牌で埋め尽くされてしまいます。
そのため、めーちゃん家代々の位牌という形で、今後わが家で過ごすいわばめーちゃん家の位牌を用意することにしました。

依頼の経緯と仏師の紹介

以前かーくんというカメレオンが亡くなった際には、動物霊園でガラス製の本位牌を作ってもらいました。
普通の仏壇がないわが家でも、そのまま部屋に置いておけるガラスの位牌はとても気に入っています。

しかし、デザインとして何かの写真や画像が必要であり、代々の位牌とするのにはあまり向かないこと、ガラス製で破損の不安あることが問題でした。
そこでめーちゃん一族の位牌には別のものを検討することになりました。

きっかけは猫の位牌

最初は既製品のモダンなデザインの位牌が候補に上がりました。
木製で戒名（というかペットの名前）を文字入れしてもらう製品です。
各種ネットショップで「ペット位牌」「モダン位牌」「シンプル位牌」などで商品検索をするものの、納得のいくものが見つかりません。
うまく言えませんが、いまいちピンときませんでした。

そんな中、「ペット位牌木製」と言うキーワードで画像検索した時に目にとまった画像がありました。
猫が手を合わせている仏様のような位牌。
Creemaと言うハンドメイドの作品を販売、購入できるサイトで、作品例として掲載されていた、猫用の木彫り位牌でした。

猫のご位牌ペット用仏具位牌オーダーメイドほとけすまいる｜Creema(クリーマ)

なんとも形容し難い、穏やかで安らかな表情に心惹かれます。
どんな方が彫ったのだろうとクリエイターのプロフィールを見て驚きました。
仏像の製作を生業とされている、プロの仏師の方の作品だったのです。

仏師鈴木謙太郎氏

画像検索で見つけた猫の位牌を製作されたのは、鈴木謙太郎さんと言うプロの仏師の方でした。
京都の京都伝統工芸大学校や、大仏師向吉悠睦氏に師事し仏像彫刻を学び、現在は地元千葉を中心に活動されています。
複数の寺院にて作品の奉納や仏像の修復を請け負っており、個人の仏壇用の作品も製作しているそうです。

最初はそんなプロの仏師である鈴木さんが、猫の位牌のようなとても親しみやすいデザインの作品を製作しているのが不思議でした。
仏師という言葉のイメージは

寺院や仏教と深いつながりがある
とても厳格な仕事
重たく緊張感のある作風

といった感じで、猫の位牌から受ける親しみやすさと対極にあると思っていたのです。
しかし、その疑問の答えはご本人が既に用意されていました。
ほとけすまいると言うユーザーネームで活動されている、Creemaプロフィールページから引用します。

ほとけすまいるとは
笑顔のスマイルと
日常を共に過ごす　住まいをかけた言葉です
ほとけさまと一緒に笑顔で過ごす日常を提案しています

寺院や個人の仏壇用の仏様を制作しているなかで
現代のご家庭では仏壇や飾るスペースがなかったりして
仏様が家にあるというのは難しいです

もっと身近に仏様を感じてほしいという想いから
日常の風景に溶け込むような心がほっこりするほとけさま
を制作しています

現代のインテリアに合うデザイン
シンプルでミニマルを心掛けて
本来の仏像の意味とリンクする使い方を提案しています

ハンドメイド通販・販売 Creema ほとけすまいるのプロフィール

現代の世相やインテリアに合致するデザインで、もっと身近に仏様を感じられる…。
私たちの求めているカメレオン用の位牌のコンセプトにぴったりです。

何よりも、やはり猫の位牌がとても気に入っていて、この方がカメレオンの位牌を製作してくれたらなぁと思いました。
カメレオンの位牌なんて製作していただけるのか不安でしたが、ダメもとで依頼のメールをしてみることにします。
実際に依頼のメールをしてみると、快く引き受けてくださり、記事前半の位牌を製作していただけました。

製作してもらった感想

位牌の現物が届いて、とても納得のいく特別なものであると思っています。
6月6日の百箇日に魂入れをしてもらう予定ですが、すでにその安らかな表情を前にすると癒されます。
※本来は四十九日に本位牌を作りますが、今回は悩んでいた期間が長く間に合いませんでした。

早速、仏壇と呼んで良いのか微妙な家具調ミニ仏壇に納めています。

お葬式や法事は心の整理

冒頭でも述べた通り今年の2月28日、わが家で初めての女の子だった“めーちゃん”が他界しました。
わが家で長く生活したカメレオンが亡くなるのは今回が2度目。
2018年に初めてのカメレオン“かーくん”をお迎えし、2020年の6月29日に亡くなっています。

その際のかーくんは当日の朝まで自分の足で歩き、自分の歯でご飯を噛んで食べていて、その日亡くなると言う覚悟が全くできていませんでした。
あまりに急な別れに、わが家の誰一人として心の準備ができていなかったです。

しかし、お葬式や法事を通して段々と心の整理ができていきました。
今回めーちゃんが亡くなった際も、同じようにお葬式などが心の整理につながったのは変わりありません。

位牌が前向きな気持ちへ変えてくれる

ただし、心の整理はすぐには終わりません。
かーくんの時もかなり長い間、辛い時期がありました。
わが家では四十九日や百箇日などの法事に加え、月命日などにも手を合わせています。
いざ遺影や位牌を前にすると、楽しかった思い出よりも先に最期の姿が目に浮かび、辛い思いをさせたのではないか、もっと何かしてやれたのではないかと考えてしまいます。

めーちゃんが亡くなったことの重みは、かーくんの時と変わりありません。
カメレオンとの別れは何度経験しても辛いものです。
それなのに、この位牌をみると「もう大丈夫、辛いことはない」と言ってもらえているのではないか、と感じます。
位牌のカメレオンの穏やかで満ち足りた表情のおかげでしょうか？

結局のところ、お葬式や各種の法事、お墓を用意することも全ては亡くなった方のためでなく、遺された人のためなのだと思います。
大切な存在を喪った人が心の整理をし、前向きな気持ちになれるように必要なことなのではないでしょうか？
もちろん普通の位牌でも、同じように手を合わせることに変わりありません。
しかし、やはりこの位牌を作っていただいたことで、より心穏やかに向かい合えると思います。

まとめ

今回は、2023年2月28日に亡くなったわが家のカメレオン、めーちゃんのためにプロの仏師の方に位牌を製作していただいたお話でした。
大切な家族であるペットを亡くした際に、思いを込めて弔ってあげたいと思う方は多いはずです。
しかし、現代の仏壇のないお家で仏具感の強い位牌は置きづらいと思います。
私たちもとても悩み、解決できる方法がないかと探した結果、本当に満足のいく位牌に辿り着けました。

もしカメレオンの位牌や猫の位牌が気に入った方は、一度仏師鈴木謙太郎さんにご相談されてはいかがでしょうか？
きっと大切なペットとの別れを前向きな気持ちに変える一つのきっかけになると思います。

この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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