避けるべきカメレオン販売店の特徴6選!!こんな店は信用できない!【コラム】
この記事では、避けるべきカメレオン販売店の特徴 6 選を紹介します。
多くのお店は私たちとカメレオンに出会いをくれる素晴らしい場所です。
しかし、残念ながらそうでないお店もあります。
そこで、
- 避けるべき販売店の特徴
- いい販売店の見分け方
- わが家が経験した最悪の販売店
といったことをわが家の経験を含めて解説します。
これからカメレオンをお迎えする方はもちろん、すでに特定のお店とお付き合いのある方も、ぜひ参考にしてみてください。
避けるべき販売店の特徴 6 選
避けるべきカメレオンのお店の特徴を 6 つ紹介します。
わが家では次のようなお店やブリーダーからはカメレオンをお迎えしません。
- カメレオンを大切にしない
- カメレオンの状態が悪い
- カメレオンの飼育に詳しくない
- 生まれて間もない個体を販売している
- ウチでは病気の個体はいないという
- かかりつけの病院がない
カメレオンを大切にしない
カメレオンを大切にしないのは、わが家が最も避けるべきと考えるお店の特徴です。
店舗でカメレオンが歩けない広さのケージで展示されていたり、イベント中ずっと体が曲がったままプリンカップに押し込められていたり。
そういったお店にお金を払って、つらい思いをするカメレオンを増やす手助けをしたくないと考えています。
これから紹介する他の特徴も、そのお店がカメレオンを大切にしていれば 1 つも当てはまらないはずです。
何かのサインでカメレオンを大切にしていないお店だと気づいたら、そのお店は候補から外しましょう。
カメレオンの状態が悪い
カメレオンの状態が悪いお店は、まっ先に除外すべき良くない特徴です。
自分のお店のカメレオンの健康管理をできないようなお店では、販売中の個体の健康状態を保証できません。
特に痩せてしまった個体が多い場合は要注意です。
販売店にいるカメレオンの健康状態が良くない理由は主に 3 つです。
- 輸入時のダメージをケアしていない
- 健康に育てる技術がない
- 適切に医療を提供していない
いずれにしても、カメレオンを大切にしていなかったり、適切に飼育する技術がなかったりすることが原因です。
販売中の個体に健康状態の良くない個体を見つけたら、そのお店は候補から外しましょう。
カメレオンの健康状態の見分け方の記事がありますので、一度確認してみてください。
カメレオンに詳しくない
カメレオンの飼育知識が乏しいのも避けるべきお店の特徴です。
カメレオンに詳しくないお店では、販売中の個体が偶然元気に見えるだけのこともあります。
実際にはカメレオンを元気に育てる知識がなく、正しい飼育方法もわからず販売している状態です。
具体的な飼育方法を知っていて、カメレオンに詳しいお店でないと販売後のサポートにも不安があります。
中にはカメレオンが生きていくために必要な、最低限の飼育指導をしないまま生体を販売するケースもあります。
カメレオンは犬や猫と違って、飼育者が十分な準備をした上で、適切な知識もないと健康に暮らせません。
生体の販売時に基本的な飼育指導すらしないのは、お金を受け取ってカメレオンをお墓に送り出すようなものです。
カメレオンの飼育方法について質問して、納得のできる答えが返ってこない場合は、そのお店を候補から外します。
生まれて間もない個体を販売している
カメレオンのベビーは全員が無事に大人になれるわけではありません。
特に生まれて間もない個体は、どれだけ飼育環境が適切でも突然亡くなってしまうことがあります。
パンサーカメレオンやエボシカメレオンであれば、最初の 3 ヶ月を生き残れるかは運次第です。
当ブログでもお迎えするのはヤングからをおすすめしています。
体力のないベビーの飼育環境を変えることはベビー自身にとってリスクです。
亡くなる可能性の高いベビーを購入した飼育者も辛い思いをします。
健康状態の安定していないベビーの販売は、お店以外に得のない行為です。
参考として、海外のパンサーカメレオン専門のブリーダーグループ、iPardalis のブログ記事を紹介します。
【参考】Egg scams and how to avoid them
内容を要約すると、
- 卵の販売は倫理的にNG
- 幼体が生き残るとは限らない
- 月齢 3 ヶ月がお迎えの最低ライン
- 転売業者と詐欺師が卵の販売を好む
といったことが書かれています。
カメレオンを卵や幼すぎる状態で販売するお店に対する痛烈な批判です。
カメレオンやその飼育者のことを思えば、卵や状態の安定しないベビーを販売するのがいかに無責任なことかわかると思います。
わが家での繁殖の際も、最初の 3 ヶ月の生存率は 50% ほどでした。
実際に SNS などのやりとりで、幼すぎるカメレオンをお迎えして悲しい結末を迎えた例をいくつも知っています。
しかし、いまだに生まれてすぐのベビーを販売するお店は後を絶ちません。
このように命や倫理を軽視した運営をしているお店は避けましょう。
ウチでは病気の個体はいないという
よく飼育や繁殖のスキルを高く見せたいお店が使うセリフです。
- カゼ
- 目の異常
- 脱腸
- 卵詰まり
というような一般的にカメレオンで起こりやすい病気や症状を、「ウチではそんなこと起こらないよ」という風に語ります。
残念ながらこれらの症状や病気を完全に防ぐのは科学的に不可能です。
特にわかりやすいのが“カゼ(上気道感染症)”です。
カメレオンを含むトカゲ類のカゼの仕組みを考えてみましょう。
トカゲ類のカゼの原因として重要なものの一つに、常在菌からの感染があります。
もともとカメレオンの呼吸器に存在している菌が、免疫力が下がったときに感染症を起こすのです。
免疫力を人為的にコントロールできない限りは、カゼは防ぐことができない病気だということです。
防げない病気をなかったように語るということは、
- 実は病院に連れて行っている
- スキルがなく病気を見逃している
- 見殺しにしている
のどれかです。
いずれにしてもカメレオンに辛い思いをさせているか、嘘のある誠実でない運営姿勢であるといえます。
このような発言をするお店は信頼できないので避けるようにしましょう。
カメレオンのカゼについて解説した記事もあるので、詳しく知りたい方はあわせて読んで見てください。
かかりつけの病院がない
こちらも飼育や繁殖のスキルを高く見せたいお店が使うセリフです。
多くの場合で「ウチではそんなこと起こらないよ」という言葉とセットで、「だから病院にも行かないよ」という風に語られます。
先に述べたとおり、カメレオンの病気を完全に予防することはできません。
にも関わらず、たくさんのカメレオンを扱うお店やブリーダーが、かかりつけの病院を持っていないというのはおかしなことです。
この場合も、
- 実は病院に連れて行っているが教えたくない
- スキルがなく病気を見逃している
- 見殺しにしている
のどれかが当てはまります。
特に繁殖も行なっているブリーダーであれば、老齢個体のケアが必要です。
普通は年齢を重ねると病気をしやすくなるので、種親を抱えるブリーダーには病院が身近であるといえます。
ブリーダーなのにかかりつけの病院がないということは、老齢個体を見殺しにしている可能性が高いです。
カメレオンを商品としか見ていない可能性が高いので、かかりつけの病院がないお店も避けましょう。
いい販売店の見分け方
避けるべきカメレオンお店の条件を紹介しましたが、どうやって見分けるのかわからない方もいると思います。
どうやってそのお店を評価するのかを解説します。
- 予備知識を身に付ける
- とにかくカメレオンをよく観察する
- カメレオンについて質問してみる
予備知識を身に付ける
良いお店を見分けるためには、事前に私たち飼育者が予備知識を身に付けるのが最も大切です。
カメレオンについてまったく知らない状態で出向くと、お店の言うことを鵜呑みにしてしまいます。
これでは言い方が悪いですが、“いい鴨”です。
事前にできるだけの情報収集をして、カメレオンの健康状態や飼育方法についての予備知識を身につけておきましょう。
当ブログでもカメレオンの飼い方についての情報を発信しています。
ぜひ、事前に色々な情報を身につけてからお店に行ってみることをおすすめします。
とにかくカメレオンをよく観察する
予備知識を身につけてからお店に行ったら、とにかくカメレオンをよく見てみましょう。
お店側のセールスポイントを除外して、カメレオンの健康状態や表情など、本質的な部分に注目します。
その個体が、
- 珍しい種だ
- 体色が美しい
- 有名ブリーダーの血統だ
といった上辺の情報に振り回されないことが重要です。
カメレオンを大切にしないお店がセールスポイントとするような部分は、カメレオンの状態とは全く関係がありません。
もちろん珍しい種や美しい個体を飼育してみたい、という飼育者もいます。
しかし、お店が初心者に特定の個体をおすすめする理由としては不適切です。
その場の勢いに任せるのではなく、冷静にカメレオンの状態を観察してみることを忘れないようにしてください。
本当に良いお店の販売中カメレオンは、どの個体も素晴らしい健康状態です。
カメレオンについて質問してみる
そのお店のカメレオンの状態が良さそうなら、お店の方に色々と質問してみましょう。
カメレオンはいまだに珍しいペットです。
- 飼育方法について
- どの種がおすすめか
- その個体の性格や特徴
- かかりつけの病院について
と言うような質問をして、お迎え後のサポートが期待できるかを確認しましょう。
良いお店の場合は飼育環境の質問をしたら具体的な返答をくれます。
その個体の性格や特徴も 1 頭 1 頭把握しているはずです。
お店に生き物を扱っているという意識があれば、販売してそれっきりでなく必ずサポートもしています。
どのようなスタンスで質問に答えてくれるかも、良いお店を見極めるポイントの 1 つです。
わが家が経験した最悪の販売店
店名は伏せますが、爬虫類イベントの常連で 20 年ほどの運営歴のある販売店が筆舌につくしがたいほどひどいものでした。
わが家が初めてのカメレオン“かーくん”をお迎えしたあと、お嫁さんを探していた頃に知ったお店の話です。
それは有名店だった
そのお店は大型の爬虫類イベントには全国どこでも出店していて、繁殖など含め精力的に活動しているようでした。
SNSでは海外の有名ブリーダーとも知り合いで、特別な個体や珍しい個体をたくさん扱っているような発信をしています。
とてもすごい人なのだと期待して訪れた店頭には、TV出演した際の様子などが掲示されていました。
ただし極端に狭いケージ、生体が避けれない自動放水、無数に転がった便、私たちが知っているカメレオンの飼育環境とはかけ離れています。
当時は私たちも初心者だったので、そこまで気にせず活き餌を購入するためにこのお店を利用していました。
活き餌の調達と同時に情報収集もできるかもと思って色々なお話も聞きました。
カメレオンを診察してくれるおすすめの病院は?と聞いたとき、「あまり病院に連れて行かない」と言われて、体調管理が万全なんだなと感心したり。
しかし飼育環境以外にも、なぜかカメレオンたちの元気がなかったりと色々な違和感がありました。
販売個体を見殺しにする
そんなある日、決定的な場面に遭遇します。
その日も活き餌の購入に訪れたのですが、販売個体のカメレオンが床に横たわっているのを発見しました。
初心者でもわかる命の危険が迫る一刻の猶予もない状態です。
店主の方に急いで報告すると、ひと言「あぁ、いいんです。」と答えて、平然と私たち用のコオロギの準備を続けます。
もう絶句するほかありませんでした。
今ならわかりますが、少しでも飼育経験があればカメレオンが床に横になってしまうより遥か前にたくさんのサインを読み取れます。
つまり、このお店は弱っていくカメレオンを見殺しにしたのです。
その後に口コミを調べたところ、
- 清掃ができておらず衛生環境が悪い
- ケージ内にカメレオンの死骸があった
- 死んで腐ったカエルが放置してある
などの証言があり、そのときに限らず日常的におなじような扱いをしているようです。
先に聞いていた「あまり病院に連れて行かない」と言う言葉は、「治療を受けさせていない」と言う意味でした。
いまだに思い出すと気分が悪くなる経験です。
以降そのお店は使わなくなりました。
実際にはどれだけ気をつけてもカゼはひくし、繁殖をしているなら高齢個体の老後ケアも必要です。
病院を知らなかったり、あまり連れて行かないというお店は、体調を崩したカメレオンを見殺しにしている可能性が非常に高いと言えます。
いつも利用している病院や、どれくらいの頻度で連れて行っているかも劣悪な販売店を見分けるポイントです。
残念ながら、このように販売生体に適切な医療を提供していな事業者は一定数いるようです。
東京都の爬虫類を診察する動物病院に行ったアンケート調査の結果をまとめた記事があるので、こちらもご覧ください。
カメレオンを商品としか見ない販売店もある
多くのお店が私たちとカメレオンに出会いをくれる素晴らしい場所ですが、そうでないお店もあることを覚えておいて欲しいと思います。
生き物の販売を仕事にするのはとても大変です。
手間もかかれば、お金もかかります。
丁寧に向き合うほど利益が減るので、法で縛らない限り悪意の塊のような運営方法をするお店が出てきてしまいます。
そういったお店はカメレオンを商品としか見ません。
例え体調を崩しても治療しないし、問題がある個体を健康と偽ってでも販売します。
そういったお店を避ける方法は、私たち飼育者が知識を身につける他にありません。
少しでも酷いお店を避けるように、販売されているカメレオンをよく観察してお店を選ぶようにしましょう。
ショップの運営者やブリーダーは神ではない
爬虫類界隈の一部では、ショップやブリーダーを批判することがタブー視されています。
特に飼育者が過剰に反応する傾向が強くみられます。
この記事を読んで気を悪くされる方もいるでしょう。
しかし、爬虫類を扱っている事業者も人間です。
モラルの欠如した人もいれば、無自覚な間違いを犯してしまう場合もあります。
飼育者側から間違っていることは間違っていると発信していくことが、よりクリーンな業界へと変えていく重要な方法の 1 つです。
犬や猫を扱う事業者には飼養管理基準という生体の管理に関する法律があります。
現在、爬虫類のペット事業者にも適用を拡大するため、政府のワーキンググループが立ち上げられています。
今後は少しでも悪質な販売店が減るよう、法整備に期待をしたいです。
【参考】爬虫類飼養管理ワーキンググループ
避けるべきカメレオン販売店の特徴 まとめ
今回は避けるべきカメレオン販売店の特徴と、良いお店の選び方を解説しました。
カメレオンは珍しいペットです。
健康な状態でお迎えできなければ、初心者がカメレオンを長期飼育するのは簡単ではありません。
大切なカメレオンと少しでも長く楽しく過ごすためには、良いお店を選ぶことが何よりの近道です。
私たち飼育者が良い個体やお店を選ぶ目を養うことが、酷いお店を撲滅するための唯一の方法です。
お店が有名なことや上辺の情報に惑わされることなく、よくカメレオンを観察することを忘れないでください。
この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。