体感温度はアテにならない?季節の変わり目はカメレオンのカゼに注意!!【コラム】
この記事ではカメレオンのカゼの原因となる温湿度管理がうまくいかない理由と、その改善策についてわが家の経験をまとめています。
カメレオンも人と同じようにカゼをひきます。
カメレオンのカゼの原因はほとんどが温度と湿度の管理不足です。
他に栄養不足や水分不足などの理由もありますが、温度と湿度が不適切だとカメレオンが万全の健康状態でも一気にカゼになってしまうほどの影響があります。
特にカメレオンがカゼをひきやすいのが人と同じ季節の変わり目です。
- 気をつかっているつもりなのにうまくいかない
- エアコンを使っているのに室温が安定しない
- どうすれば適切な温湿度を維持できるかわからない
カメレオンと暮らして5年を超える私たちも、いまだに温湿度管理が最も難しい要素だと感じています。
何が原因で温度管理がうまくいかないのか、どうすれば適切な温度管理ができるのかをまとめてみたいと思います。
この記事の内容を実践すれば、カメレオンと暮らすうえで大切な温湿度管理を少しでも適切に行えるようになるはずです。
人の体感温度はアテにならない
カメレオンの温湿度管理がうまくいかない理由の1つが人の体感温度の精度です。
人の体感温度はまったくアテになりません。
わが家ではカメレオンと暮らすようになってから、家中に温湿度計を置くようになりました。
カメレオンのケージがある部屋に至っては、ケージ内の温度計を含めると6畳のスペースに7つの温湿度計があります。
たくさんの温湿度計を置くようになってわかったのは、いかに人の体感温度が実際の数値から外れているかということです。
「暑い気がする」と思って温湿度計を見ても、それほどでもなかったり、「過ごしやすい」と思っていても、気づいたら熱中症の危険がある温度になっていたりします。
体感温度がずれる理由
この“体感温度が狂っている”ように見えるのは、何も私たちの感覚が病的におかしいということではありません。
人の特性上、同じ気温であっても
- 湿度
- 高いと暑く低いと涼しい
- 風
- 扇風機で涼しくなる
- 陽射し
- 気温が同じでも直射日光下では暑い
- 運動量
- 運動すると暑くなる
- 着衣量
- 着込むとあったかい
といった条件で、体感温度が簡単に変わってしまいます。
特にこれらの条件が急激に変わる“季節の変わり目”は、人の体感温度が実際の温度から狂いやすいです。
季節でも快適な温度には違いがある
さらに外気温と室温の差や服装などが影響して、人が快適だと感じる温度は季節によっても変わります。
一般に夏と冬それぞれの快適な室温は、
- 夏
- 25〜28℃
- 冬
- 18〜22℃
とされています。
同じ人が「快適だ」と感じていても、季節が違えば最大で10℃程度は室温が違うということです。
前述の体感温度の変化と合わさって、人の感覚だけでカメレオンに適切な室温を維持するのはとても難しいこととわかります。
季節の変わり目では人の服装も適温の感覚も変化があり、さらに複雑な条件となります。
エアコンの設定温度はもっとアテにならない
室温をカメレオンに適切に保つためにはエアコンが必須です。
このエアコンもカメレオンの温度管理がうまくいかない理由の一つです。
エアコンには設定温度があり自動運転もできます。
人の体感温度がアテにならなくても、エアコンに任せておけば適切な室温に調整してくれると思いがちです。
しかし、エアコンの設定温度の数字は人の体感温度よりもっとアテになりません。
日本で“クールビズ”が始まったころ「エアコンを28℃にするととても暑い」と話題になりました。
これは「室温28℃を目安にする」という趣旨が「エアコンの設定温度を28℃にする」と解釈されて広まった結果です。
実際にはエアコンを28℃に設定しても部屋が28℃で維持できることは稀です。
最近ではエアコンメーカーもこの問題について発信を行っています。
エアコンの設定温度ではない!国が定める適切な室温とは?
環境省によれば、室温目安は夏は28度、冬は20度が推奨されています。
国が定めている28度設定というのは、「エアコンの設定温度を28度にする」ということではなく
「室温が28度」であるということです。
室温が28度を超えているにもかかわらず、気づかずにエアコンの設定温度を28度にし続けるのは非常に危険なこと。
猛暑の場合は、「暑い」と感じる人もいると思います。
その際は、決して我慢せず室温が28度になるように、エアコンだけでなくサーキュレーターや湿度コントロールを行い快適な室温を保つことがポイントです。
「室温28度」はクールビズの服装が前提
〜略〜
ならば、エアコンの設定温度を28度にすれば、結局、室温28度になるのでは……? そんな考えが浮かびますが、一概にそうとは言えません。この理由には、エアコンを使用している部屋の環境が関わってくるとのこと。また、室温28度にしても、体感温度によっては快適に過ごせないこともあるそうなので、その辺りも田中さんに詳しく聞いてみましょう。
このように、エアコンメーカー自身も「設定温度 ≠ 室温」ということをはっきり述べています。
わが家で経験したエアコンの設定温度と室温の差はかなり大きく、正直なところ体感温度よりもさらにアテにならないと感じています。
正しい温度管理の方法は?
人の感覚もエアコンの温度設定もカメレオンの生活環境を適切に作るのには不十分な精度しかありません。
では、どのようにすれば理想的な温度管理を行えるでしょうか?
わが家で実践しているのは、
- 正確な温度計を必要な場所におく
- スマートホームを導入する
- カメレオンの様子をよく見る
以上の3つです。
どのような点に気を付けているか紹介します。
正確な温湿度計を必要な場所におく
まずは、目に見えない温度や湿度を正確に数値化できる温湿度計です。
正確な温湿度計を準備しよう
今では温湿度計はどこででも販売していて、最安だと百均でも手に入ります。
しかし、カメレオンのために必要なのは“正確に測定できる温湿度計”です。
値段ではなく必要な機能や精度があるかで選びましょう。
温湿度計の選び方についてまとめた記事があるので、こちらも参考にしてみてください。
必要な場所に設置しよう
カメレオンの温湿度管理を適切に行うためには、適当に温湿度計を置いても効果がありません。
具体的に必要な場所は、
- ケージ内の上部
- ケージ内の下部
- 室内の人がよくいる場所
の3箇所です。
特にケージの中の上下には必ず設置しておきましょう。
できれば、今の自分の体感温度と実際の室温がどれだけずれているかわかるように、人がよく過ごす場所にも温湿度計を置いておくと良いでしょう。
温湿度管理について具体的に解説した記事もあるので、詳しくはこちらもチェックしてみてください。
スマートホームを導入する
カメレオンのための温度や湿度の管理は、カメレオンと暮らすうえで一番大変なことです。
そこで、少しでも温湿度管理を簡単かつ正確にする方法としておすすめしているのが、“スマートホーム”の導入です。
温湿度計と連携できるタイプの製品であれば、温湿度計で読み取った室温でエアコンの設定温度やON/OFFをコントロールしたりできます。
完全にスマートホーム任せにはできませんが、私たちが頻繁に温度計を確認してエアコンを調整するよりも遥かに高精度かつ簡単です。
一例としてわが家で導入しているSwitchBotの防水温湿度計を紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
カメレオンの様子をよく見る
どれだけ温湿度の管理に心血を注いでも、カメレオンにとって適切な環境が作れているかはわかりません。
お家で暮らすカメレオンにとって快適かどうかは、そのカメレオン自身の様子をよく観察して最終的に判断することが大切です。
ケージの中で暖かいところから動かないのであれば寒いかもしれないし、涼しいところでじっとしているなら暑がっているかもしれません。
体感温度ではなく温度計の数値を大事にするのが基本ですが、最後はカメレオンの様子が最も大切な判断材料であることを覚えておきましょう。
季節の変わり目のカゼに注意 まとめ
今回は、季節の変わり目にカメレオンがかぜをひきやすくなる理由、温湿度管理がうまくいかない理由についてわが家の経験をまとめました。
この記事で伝えたかったことをまとめると、
- 人の感覚もエアコンの温度設定も信じない
- 正しいのは温湿度計の数値だけ
- スマートホームでより精度を高める
- 大切なのはカメレオン自身の観察
以上となります。
カメレオン達と暮らして長いわが家がどれだけ気をつかっていても、カメレオンがまったくカゼをひかない年はありません。
それでも温度と湿度の丁寧な管理でカメレオンのカゼを減らすことができると感じています。
この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。