カメレオンのケージのレイアウト!! 初心者向けに徹底解説!【解説】
この記事では、カメレオンの飼育環境を実際にセッティングする方法を解説します。
樹上棲のカメレオンが暮らすケージの中は、多くの爬虫類とは異なるレイアウトが必要です。
ケージの中をどのようにレイアウトするのかや、そもそもケージを設置する部屋に適した条件など、分からないことだらけだと思います。
そういった初めてのカメレオン飼育でよくある悩みを、現役のカメレオン飼育者である私たちの目線で解説します。
- ケージを置く最適な環境は?
- 中身のレイアウトは?
- 気をつける点はなに?
ケージの設置とレイアウトに関する様々な重要ポイントと、注意が必要な事柄についてまとめてみました。
この記事を読めば、物理的なカメレオンの生活環境のセットアップが完成します。
ぜひ最後まで読んでみてください。
飼育環境のセッティング手順
カメレオンの飼育環境を準備する手順は以下の通りです。
セッティングの手順
- 設置場所を選ぶ
- ケージとケージ台の設置
- 止まり木のレイアウト
- 温湿度計の設置
- 観葉植物のレイアウト
- 給水器の設置
- ライト類のセッティング
今までに私たちが飼育環境を整える際や、大掃除でケージ内のものを出し入れする際も大体この手順で行っています。
特にこうでないといけないという決まりはありませんが、なんだかんだこれが一番効率が良いと思います。
各手順の詳細を見ていきましょう。
ケージを置く場所を決める
いきなり飼育用品とは関係のない手順ですが、最初にケージの設置場所を決めます。
カメレオンの飼育環境を整えるのには、ケージを置く場所の選定が重要です。
設置場所の選び方で、その後のカメレオン飼育の難易度が変わるといっても過言ではありません。
どういった部屋が理想で、気をつけなければならないことは何かを見てみましょう。
温湿度管理と理想の部屋
まず、温度と湿度の管理に理想的な飼育部屋の条件です。
カメレオンの生活環境を整える上で、最も気を遣う点が温度と湿度の管理です。
カメレオンの温湿度計管理を簡単にできる、理想の部屋について考えます。
- 高気密
- 広く、エアコンが高性能
- 窓がない
あくまで理論上の理想ですが、上記の3条件が揃うと、温湿度管理が最も簡単です。
高気密
高気密な部屋だと、温度と湿度の変化を減らせます。
密閉された部屋はそうそう無いですが、例えば障子で区切られた部屋より、隙間テープを貼った開戸の方が条件としては優れています。
温湿度の管理はもちろん、生体の脱走を防ぐためにも確実に窓と扉が閉められる部屋を選びます。
可能であれば、隙間テープなどで扉の気密性を高めると良いです。
広く、エアコンが高性能
エアコンの付近は夏は寒く冬は暑いです。
広い部屋になるほど、エアコンで温度を調整する際のムラを減らせます。
4畳半の部屋より、10畳の部屋の方が広い範囲で同じ温度を維持できます。
また、エアコン自体も10畳用以上に多い200v対応製品の方がはるかに高性能です。
最新の温度センサーやネットワーク接続機能など、価格は上がりますがそれに見合った性能を持っています。
広い部屋を準備するのが難しい場合は、部屋の中で可能な限りエアコンと距離をとりましょう。
エアコンから出る風が直接当たると、特に大きな影響を受けます。
できるだけエアコンの影響が少なく、温度が一定の場所を探します。
窓がない
窓から入る陽の光がケージに当たると急激にケージ内の温度が上がります。
直接ケージに陽が当たらなくても部屋全体の温度変化に影響があります。
完全に窓がない部屋は少ないですが、陽当たりが強すぎない方がより良い条件でしょう。
窓からケージを離すか、それが難しいようなら遮光カーテンを利用するなどの工夫をしましょう。
その他の条件
温湿度管理以外にも気をつけたいポイントがあります。
ケージを置く際に気をつけたいその他の条件は次の4つです。
- 他のペットや子供の侵入
- 夜間の明るさ
- 鏡が正対していないか
- お世話しやすいか
それぞれ見てみましょう。
他のペットや子供の侵入
犬や猫などの放し飼いのペットや、物心のつかない子供がケージのある部屋に入れないようにします。
犬や猫はカメレオンの天敵です。
両者は常に捕食者と餌の関係にあります。
どれだけ信頼しているペットでも、カメレオンにとっては命の危険がある事を覚えておきましょう。
また、物心のつかない子供が不用意にカメレオンに近づかないように気をつけます。
悪気がなくても、カメレオンにケガさせてしまうかも知れません。
逆に、カメレオンに噛まれる可能性もあります。
カメレオンはよっぽど嫌がることや怖いことがないと攻撃してこない、臆病な生き物です。
しかし、命の危険を感じると噛むことがあります。
カメレオンとペットや子供、両者の安全のため、生活スペースは確実に分けておきましょう。
夜間の明るさ
カメレオンはとても早寝早起きで、1日に最低10時間くらいは睡眠時間を必要とします。
人と同じ部屋で生活すると、カメレオンが睡眠不足になりがちです。
できれば、夜間は明かりのない部屋を用意する方が良いでしょう。
どうしてもそれが難しいようなら、ケージを覆う遮光カーテンなどを用意しておきます。
鏡が正対していないか
鏡やそれに近い鏡面仕上げの家具などがある場合、ケージの中から見て正対した状態は避けましょう。
カメレオンは目が良いので、すぐに見つけて威嚇を始めます。
鏡の自分はどんなに威嚇しても負けてくれないので、かなりのストレスになります。
お世話しやすいか
ケージの扉が周りの家具に干渉して全開にならない、延長コードを使ってもコンセントが足らない、など無いよう周囲の条件にも気をつけます。
せっかく設置しても使いづらいと後から移動させることになります。
片づけ・掃除をしよう
ケージの設置場所が決まったらもう一つやっておくことがあります。
それが、ケージを置く部屋の片付けと掃除です。
セッティングがしづらい
ケージなどのセッティングをする際、思っているよりも場所をとります。
ある程度の片付けと掃除をしておかないと、セッティングそのものがしづらいです。
カメレオンにも危ない
そして、もう一つ片付け掃除をした方が良い理由があります。
それが、カメレオンにとって危険なものが無いかの点検です。
カメレオンの興味を引くものや、害のあるものは目の届かない場所へしまっておきましょう。
特にキラキラしたアクセサリー類が見える所にあると、誤飲に繋がり危険です。
その他気をつけるものとしては、殺虫剤や虫除け、入ったら出られないようなサイズの容器などがあります。
ケージとケージ台の設置
設置場所が決まり、片付けと掃除をしたら、ケージとケージ台を設置します。
ケージとケージ台の選び方は次の記事で解説しています。
どちらも基本的には置くだけですが、気をつけたいポイントがあります。
地震対策
ケージ台の選び方の記事でも触れていますが、ケージとケージ台の地震対策はしておきましょう。
カメレオンは自分で自分を守ることができません。
カメレオンの防災対策の責任は飼育者にあります。
周りのものに手が届かないか
ケージの扉付近から周りの家具に手が届くと、生体の脱走に繋がります。
カメレオンは私たちが思うよりもずっと賢いです。
思わぬタイミングで思わぬ方法を使って気になる場所へ行こうとします。
最初から可能な限りそのルートを塞いでおきましょう。
止まり木のレイアウト
ケージの設置ができたら、止まり木のレイアウトをしましょう。
- 立体的に組む
- 高さの上限
- 枝の組み合わせ方
- 他のアイテムを意識する
- 木の枝の加工・固定方法
上記5つに気をつけます。
用意する止まり木についての注意点は止まり木と観葉植物の選び方の記事で解説しています。
立体的に組む
止まり木はできるだけ立体的に組みます。
カメレオンは基本的に樹上棲のため、上下の移動を必要とします。
せっかく背の高いケージを用意しても、止まり木を平面的に組んでしまっては意味がありません。
高さ方向にも行動範囲が広がるように意識します。
高さの上限
立体的に組む止まり木ですが、高さの上限があります。
カメレオンが一番高く水平な枝に乗った時に、天井に背中やカスクを擦らないようにしましょう。
具体的には手足が枝に捕まった状態で、高さの1.5〜2倍程度の空間が必要です。
多くの種では背中の頂点が最高点で、身体を縦方向に広げた時を基準とします。
エボシカメレオンなど一部の種ではカスクなど別の部位が最高点となります。
実際にお迎えするカメレオンを間近で観察しないと分かりづらいですので、天井近くの枝はカメレオンをお迎えしてから足しても良いでしょう。
枝の組み合わせ方
止まり木と観葉植物の選び方の記事で、枝の太さの目安を述べました。
各太さの枝の役割は以下の通りです。
- 太 → ベッド
- 中 → メイン
- 細 → サブ
まずは太すぎず細すぎない枝で、上下移動ができるメインの止まり木を数本配置します。
次に高さの上限あたりに、カメレオンがベッドに使えそうな少し太めな枝を水平に近い角度で設置します。
最後は細めの枝で、それらの枝同士を行き来できるような道を作ります。
他のアイテムを考慮する
ケージの床には観葉植物や給水器を設置しますので、メインの枝と干渉しないか注意しましょう。
細い枝は他のアイテムの設置後に組んだ方がよいかも知れません。
木の枝の加工・固定方法
ある程度止まり木のレイアウトが決まったら、必要な長さ、数量を用意します。
木の枝を使用する場合はノコギリで必要な長さに切断していきます。
一般の木材用ノコギリでも切れますが、生木向けの剪定用ノコギリの方が簡単に切れるのでおすすめです。
用意した止まり木は結束バンドやビニールタイ、針金やテグスなどで固定します。
ガラスケージであれば、ケージの対角に止まり木を立てかけるのがおすすめです。
止まり木どうしがしっかりと固定されていれば、それで崩れることはありません。
メッシュケージや鳥かご型の場合は、各止まり木を2箇所以上ワイヤーやテグスなどでしっかりケージに固定します。
温湿度計の設置
止まり木が設置できたら、温湿度計を設置しておきます。
後にケージ内に入れるアイテムがあると設置が難しいケースがあるからです。
温湿度計の選び方についてはこちらの記事で解説しています。
必ず2箇所設置する
カメレオンのケージは上下で温度差を作るようにします。
どれくらいの温度差を作れているかの確認は必須です。
そこで、高さの上限に用意した枝のあたりと、ケージの一番低いあたりの2箇所に温湿度計を設置します。
固定する
カメレオンは気になったものを引っ張ったり、食べれそうだと思うと噛み付いたり口に入れたりするので、必ず固定します。
プローブのあるタイプを設置する場合は、カメレオンがケーブルを引っ張って場所が変わってしまわないように、プローブ自体も固定しておくと良いでしょう。
また防水温湿度計を設置する場合は、ウスタレやパーソンだと丸ごと飲み込んでしまう恐れがあるので、特に入念に固定します。
観葉植物のレイアウト
温湿度計が設置できたら観葉植物をセッティングします。
観葉植物をセッティングする際に気をつける点は以下の3つです。
- 日陰を作る
- 目線を遮る
- 水飲み場として
おすすめの観葉植物については止まり木と観葉植物の選び方の記事で解説しています。
日陰を作る
ケージ内で日陰というのも変な感じですが、紫外線灯の光を遮ることができるように意識します。
野生下のカメレオンは日向と日陰を行ったり来たりして過ごしています。
一日中紫外線灯の光から逃げられない状態は好ましくありません。
用意した観葉植物がポトスのように背の低いタイプだけだったり、人工のツタの場合もあるでしょう。
そういった場合は、高さを出すために鉢の下に台を置いたりするなどの工夫が必要です。
目線を遮る
観葉植物のレイアウトは、ついつい人の目線でカメレオンの様子が見やすいようにしがちです。
しかし、カメレオンとの信頼関係が築けていない飼育初期は特に、カメレオンが気を休められるプライベートな空間が必要です。
観葉植物などを使って、人の目を遮る目隠しを作ることを意識しましょう。
水飲み場として
次の給水器の項と少し被りますが、観葉植物と止まり木はできるだけカメレオンの手の届く範囲に収めます。
他のタイプの給水器で水を飲まなかった場合に備え、観葉植物に霧を吹いてカメレオンにお水をあげられるようにしておきましょう。
給水器のレイアウト
続いて、給水器のレイアウトです。
給水器の選び方の記事でも解説した通り、お迎えしたカメレオンがお水を飲まないことがあります。
複数のタイプの給水器を試すことを前提にレイアウトを考えます。
給水器の選び方についてはこちらの記事で解説しています。
周りに足場を作る
給水器の周りに、安定した足場を作ります。
不安定な場所だったり、給水器の飲み口に届かないとお水が飲めません。
お迎えするカメレオンの頭胴長を考慮して必要な足場を組んでおきます。
視線を遮るとなお良い
給水器の周りに視線を遮るものがあるとなお良いです。
ただし、水を足したり入れ替えたり、お手入れのためにケージから出し入れしたりといった日常的なお世話があります。
あまりにも使いづらい配置だと無理があるので、可能な範囲で構いません。
ライト類のセッティング
最後はライト類のセッティングです。
カメレオンに必要なライト類は以下の通りです。
- 紫外線灯
- バスキングライト
- 明かりとり
- 夜間保温球
ライトを設置するにあたって、下記3つは必ず守ります。
ライト類の設置の注意点
- ケージの外か手の届かないところに設置する
- カメレオンの火傷やケガにつながる
- 火事に気をつける
- 特にバスキングライトは熱を持つ
- 水がかからないように注意
- 点灯中の電球に水がかかると割れる可能性がある
この3つを守った上で、次の項目に進みます。
- それぞれのライトの配置
- 紫外線灯と紫外線量
- タイマーのセット
それぞれ見ていきましょう。
各ライトの役割と選び方を解説した記事があるので、参考にしてみてください。
それぞれのライトの配置
4種のライトはケージの上から照らすようにします。
天面のどの位置にどのライトを設置するかが問題です。
まず、それぞれのライトの役割から前提条件を考えます。
- 紫外線灯とバスキングライトは近づける
- ホットスポットと温度勾配を作る
- 明かりとりは暗いところを補う
- 夜間保温球はベッドの近く
この条件から配置候補を考えてみました。
高さの上限付近に設置した止まり木が横向きのパターンと、斜めのパターンの2種類です。
紫外線灯とバスキングはできるだけ近づけています。
ビタミンDの生成に必要な紫外線と温度を同時に供給するためです。
また、ホットスポットと温度の勾配を作るため、紫外線灯とバスキングライトはケージの端に寄せました。
明かりとりは紫外線灯とバスキングライトの対角線上に配置し、ケージ内が満遍なく明るくなるようにします。
夜間保温球は他の3つのライトと物理的に干渉しない場所で、ベッドの枝に向けて配置します。
こちらの配置はあくまで一例ですので、こうしないといけないというわけではありません。
ケージの大きさやライト用の照明器具の形状によっても適切な配置は変わってくると思います。
こちらを参考に、それぞれの環境にあった配置を探してみてください。
紫外線灯と紫外線量
紫外線灯の設置ですが、以前に投稿した紫外線灯の選び方の記事で、目安のサイズと生体までの距離を解説しました。
しかし、もっと確実に紫外線灯を選んで適切に設置する方法があります。
それが、紫外線の測定器の導入です。
測定器自体がかなり高価ですので、爬虫類飼育者全体で見てもお持ちの方はかなり少ないです。
測定器を用意してまでセッティングをするかは各飼育者次第となります。
わが家が測定器を導入したのも割と最近になってからです。
それでも、目に見えない紫外線の量を数値で確認できるのは非常に便利で、カメレオンの健康にもメリットが大きいです。
具体的にどの測定器で、測定した数値をどのように活用するのか、簡単に説明しておきたいと思います。
紫外線量を考慮した紫外線灯のセッティングをする場合は、紫外線量の時間的な変化にも気をつけなければなりません。
特に新品の蛍光灯型紫外線灯には“バーンイン”と呼ばれる慣らし期間が必要です。
カメレオンに最適な紫外線測定器
まず測定器ですが、Solar Light社のSolarmeter Model 6.5Rという製品を使います。
こちらの製品は後述するファーガソンゾーンの根幹をなす数値、UVIを測定できる携帯型の測定器です。
爬虫類飼育において事実上の業界基準となっているモデルですので、こちらの製品が良いでしょう。
ファーガソンゾーン
ファーガソンゾーンについては、詳しく説明すると1本の記事が書けてしまうので要点だけまとめます。
ファーガソンゾーンとは、2010年に爬虫両生類学者のゲイリー・ファーガソン博士が提唱した考え方です。
各爬虫類を自然界で浴びている紫外線量ごとに4つのグループ(ゾーン)に分けたもので、それぞれのゾーンに最適なUVIの範囲が示されています。
最初は15種の爬虫類のみでしたが、2012年に英国およびアイルランドの動物園水族館協会(BIAZA)が254種の爬虫類と両生類について研究し、情報を追加。
そのほか複数の研究者や団体がファーガソンゾーンに関する調査研究を続けています。
2022/10/31 追記
ファーガソンゾーンについての記事を書きました。
詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。
実際の活用方法
仮に設置した紫外線灯のUVIを測定します。
ケージ内でカメレオンが最も紫外線を多く浴びる場所でSolarmeter Model 6.5Rを使用し、UVI値を測定してみましょう。
お迎えする予定のカメレオンがどのファーガソンゾーンに属しているかを確認します。
各ゾーンごとに参考のUVI値が設定されていますので、具体的な数値とメソッドも確認しておきます。
SolarmeterのModel 6.5Rが示す数値が、対象種の参考UVI値と近くなるように紫外線灯のセッティングを調整しましょう。
必要であれば、紫外線灯を他の製品に変更します。
色々と難しそうな話をしていますが、実際の活用方法はシンプルです。
ケージ内のUVIを測定、ファーガソンゾーンを確認、ライトを調整の3ステップでOK。
すでに確認済みのカメレオン達のファーガソンゾーンと、各ゾーンの具体的なUVI値や数値の使い方(メソッド)、注意点は以下の通りです。
和名 | ファーガソンゾーン |
---|---|
マユダカヒメカメレオン | 1 |
ヨツヅノカメレオン | 2 |
ヒゲカレハカメレオン | 2 |
メラーカメレオン | 2 |
ジャクソンカメレオン | 2~3 |
カーペットカメレオン | 3 |
スパイニーカメレオン | 3 |
ホーネリーカメレオン | 3 |
パーソンカメレオン | 3 |
エボシカメレオン | 3 |
パンサーカメレオン | 3 |
スライドできます→
区分 | メソッド | 生息地の平均UVI値 | 生息地の最大UVI値 |
---|---|---|---|
Zone 1 | シェード | 0.0 〜 0.7 | |
Zone 2 | シェード or サンビーム | 0.7 〜 1.0 | 1.1 〜 3.0 |
Zone 3 | サンビーム | 2.9 〜 7.4 | |
Zone 4 | サンビーム | 4.5 〜 9.5 |
スライドできます→
- シェードメソッド
- 最も紫外線の当たる場所でも生息地の平均UVI値に収める
- ゾーン1と、小さなケージでゾーン2の種を飼育する場合に該当
- サンビームメソッド
- 最も紫外線の当たる場所は生息地の最大UVI値の中に収める
- ゾーン3と4、広いケージでゾーン2の種を飼育する場合に該当
- 紫外線勾配を作る
- どのゾーンの種においても、紫外線灯の影(つまりUVI 0)になる場所を用意する
- ケージ内に紫外線量の勾配をつけ、生体が居場所を選べるようにする
例えば、わが家で暮らすパンサーカメレオンであれば、ファーガソンゾーンとUVIの確認は
- パンサーカメレオンのファーガソンゾーンは?
- ゾーン3
- ゾーン3のメソッドは?
- サンビームメソッド
- 適切な紫外線量は?
- 最も紫外線量が多いところでUVIが2.9 〜 7.4
という感じで、測定値とファーガソンゾーンを考慮に入れてセッティングします。
用意した紫外線灯をどのように配置しても、この範囲から極端に外れているようなら、別の製品を試しましょう。
照明類のタイマーのセット
全てのライト類がセッティングできたら、それらを制御用のタイマーに接続して、ON/OFFの時間をセットしておきましょう。
カメレオンは早寝早起きなので、早朝5〜6時にON、夕方の17〜18時に切れるようにしておくのがおすすめです。
夏季はそれより遅くに陽が沈み、早めに陽が昇ります。
1日あたりの睡眠時間が10時間を割り込むことのないように気をつけましょう。
チェックリスト
お疲れさまでした。
以上がカメレオンの飼育環境のセッティングに関する一連の手順です。
最後に今回の記事の要点をまとめたチェックリストです。
きちんと全部準備できているかもう一度確認しておきましょう。
- 温湿度管理のしやすい場所?
- 脱走対策はした?
- 地震対策は十分?
- 危険物がケージや部屋にない?
- 鏡などが見える位置にない?
- 枝や植物のレイアウトは適切?
- 止まり木の固定は十分?
- 給水器の設置は適切?
- 温湿度計は2ヶ所に置いた?
- ライト類の設置は適切?
全部できていれば物理的な飼育環境作りは一旦完成です。
飼育環境のセッティングまとめ
今回はカメレオンが暮らすケージのレイアウトについて解説しました。
事前に準備した飼育環境が、お迎えしたカメレオンの好みに合うかは実際にカメレオンがお家に来てからでないとわかりません。
一生懸命準備した飼育環境でも、後々さまざまな変更点が出てくると思います。
カメレオンの快適な生活のために、根気よく付き合ってあげましょう。
また飼育環境の準備は、飼育用品のセッティングだけではありません。
同じくらい大切で、最も大変なのが温湿度管理です。
温度や湿度が適切に管理できない場合は、ライト類の見直しなど、繰り返し調整が必要になります。
場合によってはケージの設置場所の変更といった大掛かりなやり直しがあるかもしれません。
それでもカメレオンと暮らしていくためには飼育環境の準備は欠かすことができません。
大変ですが準備を少しずつ進めてみてください。
カメレオンをお迎えする前にやっておきたい温度管理についてまとめた記事がありますので、こちらもチェックしてみてください。
この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
関連サイトリンク
- How Much Ultraviolet-B Should a Lizard or Snake Receive in Captivity?
- ファーガソン博士の論文(英語)
- BIAZA RAWG UV Tool
- 英国およびアイルランドの動物園水族館協会(BIAZA)が公開する資料(英語)
- Which Ferguson Zone is My Reptile In? | UVB Lighting | Reptile Centre
- Northampton Reptile Centre(イギリスの爬虫類専門店)が公開するリスト(英語)
- Ferguson Zone | REPTILE SYSTEMS
- REPTILE SYSTEMS(フランスの爬虫類用品ブランド)が公開するリスト(英語)