カメレオンのハンドリングは害になる?わが家の見解は…【コラム】
この記事では、賛否あるカメレオンのハンドリングについて、わが家の考え方を述べます。
カメレオンをハンドリングすることには賛否があり、それぞれがそれぞれの考えを主張しています。
- ハンドリングする意味は?
- カメレオンにとって負担じゃない?
- 肯定派・否定派それぞれの意見は?
長年賛否に割れているカメレオンのハンドリング論争。
わが家がカメレオンのハンドリングについてどう考えているのかと、その理由について解説します。
良いとか悪いとかは置いといて、とりあえずハンドリングしたい!! という方は、ハンドリングのコツをまとめた記事がありますので参考にしてみてください。
わが家はハンドリング推奨派
冒頭でも述べた通り、カメレオンのハンドリングについては賛否両論あります。
賛成派、否定派、それぞれの意見はどれも本当のことで、すべて筋が通っている主張です。
だからこそ、カメレオンのハンドリングについての賛否はずっと割れたままで決着がつきません。
そんな中、わが家のスタンスを一言で言うなら、
となります。
わが家はカメレオンのハンドリングを必須だと考えて推奨しています。
その主な理由は健康のチェックのためです。
健康チェックの部分も含め、賛成派・反対派、それぞれが挙げる理由をわが家なりの意見で見てみましょう。
【賛成派】ケージの清掃時に必要だからする
これはカメレオンと暮らすなかで避けて通れない、ケージの清掃が理由ですので賛成です。
ケージの清掃のためにはカメレオンをケージの外に出す必要があり、カメレオンのハンドリングが必要です。
わが家もケージの清掃にハンドリングは付き物だと考えています。
日ごろからハンドリングに慣れてもらうと清掃のときに強いストレスをかけなくて済みます。
【賛成派】小さな変化を見つけやすいからする
これは、カメレオンの健康状態をチェックするときに、ハンドリングをする方がより小さな変化を見逃さないという意見です。
こちらの意見にもわが家は完全に賛成です。
握力や手のひらの状態、体温や息づかいなど、見ているだけではわからない様々な情報があります。
直接ハンドリングすることで健康に関するより多くの判断材料を得ることができ、異常があるとすぐに気付けます。
わが家としてはこれがハンドリングを推奨するもっとも大きな理由と考えています。
カメレオンの健康チェックについては、カメレオンをお迎えしたらすぐやるべきことを紹介した記事で詳しく解説しています。
まだやっていないことがあれば、ぜひこの機会にはじめてみてください。
【賛成派】触れ合いが楽しいからする
触れ合いが楽しい、という理由でのハンドリングは、半分賛成で半分反対です。
カメレオンにも個体ごとに性格やその時の気持ちがあります。
わたしたちが楽しんでいてもカメレオンにとって楽しいかは、その子の性格や気持ちによって答えが変わるからです。
カメレオンが明らかにハンドリングを嫌っているようなら、健康チェックなど以外のハンドリングは避ける方が良いと考えます。
【反対派】不要なストレスをかけるからしない
不要なストレスをかけるからハンドリングしない、と言うのはあまり賛成できません。
もちろんカメレオンの気持ちを無視したハンドリングは大きなストレスです。
しかし適切なハンドリングを心がければ、孤独にケージに閉じ込めたままよりも、よい刺激になると考えます。
そもそも野生下では人との触れ合いどころでない、自然界でのサバイバルというストレスがあります。
ストレスが大きすぎるのは問題ですが、全く刺激のない生活もやはり毒であると考えます。
カメレオンの気持ちを理解して、適切な方法と頻度でハンドリングするのが良いでしょう。
【反対派】お互いに傷つけあう可能があるからしない
この理由にはあまり賛成できません。
カメレオンが人に噛み付くような状態は、カメレオンの気持ちを無視したハンドリング時におこります。
逆に言えば、カメレオンの表情をきちんと読んで、気持ちを理解したうえで行動すればカメレオンが噛みついてくることはまずありません。
また、カメレオンの爪による傷は手袋などで簡単に防ぐことができます。
さらに、人がカメレオンを傷付けるケースも細心の注意をはらっていればほとんど発生しません。
お互いに傷つくようなハンドリングは、その方法が間違っていると考えます。
【反対派】野生生物にハンドリングは不要だからしない
この意見は、
- カメレオンはもともと野生生物
- 自然界にはハンドリングはない
- ハンドリングはしないのが自然
という理屈です。
間違ってはいませんが、この意見には賛成できません。
なぜなら、カメレオンが人と暮らしている時点で“不自然”だからです。
人工の灯りで一定の温度に保たれた狭いケージで生活する。
そこに自然さを求めるのは無理があると考えます。
飼育下の環境が不自然であるならば、不自然な環境の中で最大限健康に過ごせるよう配慮するべきです。
ハンドリングによって細かく健康状態を確認し、可能な限り病気やケガの早期発見に努めます。
野生生物にはハンドリングは不要ですが、飼育下のカメレオンにはハンドリングは必須だというのがわが家の意見です。
ただし闇雲にハンドリングしない
前述の通り、わが家ではカメレオンの健康チェックのため、ハンドリングが必須だと考えています。
しかし、カメレオンの気持ちを無視してハンドリングするのはお勧めしません。
カメレオンには人とどれくらい触れ合っても平気かという許容範囲があり、それは個体ごとに大きく違います。
そのためハンドリングは必須である、という意見と同時に、以下の2点も声を大にしてお伝えしたいと思います。
- カメレオンの気持ちを大切に
- 長時間のハンドリングは負担になる
それぞれについて述べたいと思います。
カメレオンの気持ちを大切に
カメレオンは個体ごとにハンドリングの許容量が違うと述べました。
他の爬虫類であれば、外見からそういった許容範囲を察することは難しいことが多いです。
そのため爬虫類のハンドリングでは、知らず知らずのうちにストレスを与えている、ハンドリングは有害である、という考え方が一般的です。
カメレオンを他の爬虫類と同じように考えるかたは、カメレオンも同じようにハンドリングを控えた方が良いと主張されます。
しかし、カメレオンが他の爬虫類と異なり、目に見えない気持ちを目に見える表情として伝えることができる生き物です。
わが家としてはハンドリングは必須である前提のもと、カメレオンの表情をきちんと読み取り、個体ごとの許容範囲を超えないように配慮することが大切だと考えています。
わが家で暮らしているカメレオンに限っても、ハンドリングしても平気な顔をしている子もいれば、体に触るだけで全力の威嚇モードになる子もいます。
ハンドリングが平気な子は一緒に過ごす時間を多めに取り、誰かとコミュニケーションをする機会を与え、触るのを嫌がる子は必要最低限のハンドリングに留めています。
個体ごとの気持ちに配慮したハンドリングを行うのが大切です。
長時間のハンドリングは負担になる
この記事を始め、当ブログではカメレオンのハンドリングを推奨するとお伝えしています。
しかし、犬や猫などと触れ合うようなイメージでカメレオンのハンドリングを捉えるのはあまりよくありません。
先に述べた通り個体ごとにハンドリングに対する許容値は異なります。
中には爬虫類としては異例なほどの慣れ方をする個体がいるのも事実です。
それでも犬や猫などと同じように、何時間も触れ合ったまま過ごしたりできる個体はほぼいないとお考えください。
毎日少しずつ慣らしていけば、いずれは犬や猫と同じような慣れ方をしてくれる、といったものではありません。
これはカメレオンの気持ち的な部分以外に、生き物としての性質も関係してきます。
カメレオンは外温性の動物で、長時間人と触れ合っていると必要以上の熱を受け取ってしまい、体温調整に支障が出るからです。
中には体温調節があまり上手くない個体もいて、知らないうちに体調を崩してしまうこともあります。
そのため、いくらカメレオンが嫌がっていなくても、数時間にわたるような長時間のハンドリングは避けた方が良いでしょう。
カメレオンと私たちの距離感については、カメレオンが人になつくのかをまとめた記事がありますので、こちらも参考にしてみてください。
ハンドリングに対する見解まとめ
今回は、賛否両論あるカメレオンのハンドリングについて、わが家の見解を述べてみました。
この記事で伝えたかった、わが家の意見をまとめると、
- 健康チェックのためハンドリングは必須
- カメレオンの気持ちを無視しないことが大切
- 長時間のハンドリングはおすすめしない
以上となります。
カメレオンの気持ちを大切に、健康を維持するため細かい健康チェックを短時間で済ませると言うのがわが家のおすすめです。
適切なハンドリングでカメレオンの健康を守りつつ、親睦を深めていただければと思います。
この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。