
カメレオンがお水を飲まない!! 給水器の選び方と対処法【解説】
この記事では、カメレオンがお水を飲めるように準備する、給水器の選び方について解説します。
カメレオンと暮らし始める際の飼育用品選びで意外と見過ごされがちなのが給水器です。
カメレオン専用品があるわけではなく、どのようにお水を与えたら良いかわからないと言う方も多いのではないでしょうか?
- おすすめの給水器は?
- どんな種類がある?
- 水を飲まない理由は?
カメレオンと暮らし始めた後によくあるのが“お水を飲んでくれない”というトラブル。
わが家でも、初めてのカメレオン“かーくん”はなかなかお水を飲まない子でした。
どう対処したら良いのかわからず、とても心配したのを覚えています。
そんな事態を避けるため事前に用意しておきたい給水器の選び方、そしてカメレオンがお水を飲まない理由について解説します。
結論から知りたい方はこちら!!
カメレオンが水を飲まない‼︎
飼育初期の悩みとしてよく聞かれるのがお水を飲んでくれないという問題です。
当ブログでは何度か触れていますが、カメレオンは動いているものでないと興味を示しません。
ほぼ100%の飼育者が活き餌でカメレオンを育てているのはこのためです。
そして、それはお水に関しても同じで、お皿に入れておくだけでは飲んでくれないことがほとんどです。
他の爬虫類と比べてもカメレオンにお水を飲ませるのは難しいようで、爬虫類飼育経験者でも戸惑うことが少なくありません。
一癖あるカメレオンのお水飲みですが、残念ながらカメレオン専用の給水器は販売されていません。
そこで、カメレオン飼育者は他の爬虫類用や自作で給水器を用意しています。
ポイントはいかに“お水が動いて見える”ようにするかです。
今回紹介する給水器は全て、お水を飲まないカメレオンのためにわが家で実際に試してきましたものです。
おすすめの給水器
カメレオンに使える給水器には複数のタイプがあります。
しかし、ずば抜けて成功率の高いタイプがあるので、最初におすすめの給水器を紹介します。
1番成功率が高かったのがこれ!!
わが家でさまざまな給水器を試して、最も成功率が高かった給水器がこちらです。
カメレオン向けどころか、爬虫類向けですらない、犬や猫用の給水器です。
循環型の給水器で、小さな噴水のような仕組みになっています。
このタイプは、わが家がお世話になっているブリーダーのCrazyGenoの店主さんからおすすめされた給水器です。
こんな爬虫類が飲みづらそうな形の給水器で飲んでくれるのかと最初は不安でした。
しかし結果的に最も成功率が高く、紹介されて以来ずっと愛用しています。
このタイプの良いところを見てみましょう。
メリット① ずっと水が動いている
おすすめのポイントの1つが他の方法に比べ、持続的に水が動いて見えるところです。
目をやれば常に水が動いている瞬間を捉えられるので、水であることをしっかりアピールできます。
他のタイプだと動作が一時的なので、そのタイミングでカメレオンが給水器を見ていないと気づけません。
メリット② 複数の飲み口
2つ目の良い点はカメレオンが思い思いの方法でお水を飲めることです。
- 噴水上端
- 流れる水
- 受け皿に溜まる水
など、多くの製品が複数の飲み方ができるようになっています。
それぞれのポイントで気に入ったら飲んでくれるので成功率が上がりやすいです。
メリット③ いつでも飲める
3つ目の良い点はいつでも好きな時にカメレオンがお水を飲める点です。
他の給水器と異なり、循環式で常に作動しているので、飲むタイミングをカメレオンの都合で選ぶことができます。
人に置き換えて考えると分かりやすいですが、今飲みなさいと言われるより、好きな時に飲んでいいよ、と言われる方が飲みやすいです。
デメリットもある
ただしデメリットもあります。
1つ目が、カメレオン用ではないため給水器の周りに足場を用意する必要がある点です。
このタイプの給水器をケージ内に単体で置いても、カメレオンが飲み口まで辿り着けません。
給水器の周りに捕まりやすい足場が必要です。
特に、頭胴長7cm以下の体格の場合には足場があっても向きません。
また循環式のため、水は毎日交換し、給水器自体も軽く洗ったほうが清潔でしょう。
他のタイプでは、水を一度出し切ったら勝手に乾いてくれるものもありますが、このタイプでは必ずお手入れが必要です。
また、お手入れの一つに消耗品のフィルターの交換があり、少額ながら維持費もかかります。
おすすめ製品

同じような製品がさまざまなメーカーから販売されていますが、わが家のおすすめはこちらの製品です。
All4Pets と言うメーカーが販売している、直径19cm程度の犬や猫向け給水器です。
おすすめポイントまとめ
- プラスチック製
- 交換パーツがある
- 汚れにくい
おすすめポイント①
まず、カメレオン用として使用するのに大事なポイントは、素材が金属ではないという点です。
カメレオンは本当に目が良くて、ラッカー仕上げの木製家具に映った自分に気づいて威嚇するほどです。
ステンレス製の給水器もありますが、反射する素材では威嚇し続けてお水を飲むどころではありません。
こちらの製品はプラスチック製で、はっきりと像が写り込むような形でもないので安心です。
おすすめポイント②

そして、長期的に使用する上で欠かせないのが、保守パーツです。
特に、このタイプの給水器は多くの場合2つのフィルターが必要ですが、確実に適合する交換用のフィルターが見つからないことがほとんどです。
「違うメーカーのだけど使えるかな…とりあえず買ってみるしかない…」みたいなことばかりです。
フィルターは無くても動きますが、排泄物を給水器に落とされることも珍しくありません。
清掃が難しい部分に入り込むのを防ぐためにもフィルターがあったほうが良いです。
こちらの製品であれば2種のフィルターはもちろん、同じメーカーでポンプの単品販売もしています。
おすすめポイント③
さらに、プラスチックの表面の処理によっては、すぐに赤カビが生えてきてなかなか落ちないことがあります。
こちらの製品は比較的カビが付きづらく、落としやすいです。
ただし、あくまで比較的汚れづらいだけなので、こまめなお手入れを心がけましょう。
一番おすすめの給水器
色々と検討、購入した結果、現在一番おすすめできる給水器です。
どんな給水器が良いか迷ったら、とりあえずこちらの製品を試してみてください。
給水器を準備しよう!!
フィルターとポンプもあるよ!!

他の給水器

経験上、パンサーカメレオンくらいの体格であれば3日くらい水分を取らなくても、即座に生命の危険に繋がることはありません。
しかし逆に言うならば、お水を飲まないとなってから給水器を用意していると、3日と言う猶予はあっという間に過ぎてしまいます。
カメレオンをお迎えする前に、できれば2~3種の給水器を用意しておきたいところです。
おすすめ給水器以外にもカメレオンにお水を飲ませる方法がいくつかあります。
- ドリップ型
- ミスト型
- ブクブク
- その他
この中からも数種類選んで用意しておくと安心です。
ドリップ型
水が上からポタポタと落ちるタイプの給水器です。
小型の容器の下部に管をつけてあり、手動の弁を使って開閉、水量コントロールをします。
小型で重量も軽く、電源が不要なので設置場所を選びません。
自然界でもポタポタ落ちる水は見かけることが多いので、カメレオンが興味を示しやすいです。
もう一つのメリットはその価格の安さです。
市販品もありますが、自作もできます。
わが家で以前使用した際はペットボトルと熱帯魚用品で自作しました。
合計でも1,000円以下だったと思います。
しかし、1回に落とせる水の量に限度があり、その短時間にカメレオンが水に気づいて飲む必要があります。
稼働時間が短いせいか、やや成功率が低い印象です。
また、落とした水を回収する方法も考えておかないと、ケージの床が水浸しになってしまいます。
ミスト型
プログラムできる自動霧吹きと思うと分かりやすいです。
観葉植物などに向けて水を吹き付けておき、それをカメレオンが舐めるように飲みます。
メリットはプログラムした通り自動で稼働してくれる点です。
1日に複数回作動させることで、水を飲めるタイミングを増やすことができます。
また、毎日の霧吹きの代わりにも使用できます。

デメリットはあまりメンテナンス性が良く無いことです。
機械の中を水が通るのですが、その部分は清掃ができません。
さらに他のタイプに比べて数倍以上とかなり高価です。
中型以上のカメレオン目線で見ると、水分を舐めとって飲むのは時間がかかって大変です。
ブクブク
お皿などに水を溜め、そこに熱帯魚用のエアーポンプを設置してブクブクします。
ただ溜めただけのお水は認識しなくても、このパターンだと気づくことがあるようです。
ドリップ型やミスト型と異なり、電源を入れている間は継続的に稼働します。
カメレオンが好きな時に水を飲めるという点は、犬や猫用の給水器と同じメリットです。
価格も安価なので、とりあえず用意しておくのには良いと思います。
ただしこのタイプは、わが家での成功率0%です。
他のタイプで飲まない個体が、このタイプが好みですごく飲むといった話は聞いたことがあります。
やはり最初の選択肢というよりは、念のための予備というのがおすすめです。
その他
以下の2つは給水器と言う訳ではありませんが、場合によっては有効です。
霧吹き
こちらはミスト型の手動バージョンです。
霧吹きで観葉植物などに水を吹いておきます。
どのみち霧吹きはカメレオン飼育に必須のアイテムなので用意しておきましょう。
直接飲ませる
ドリップ型の手動バージョンです。
水差しやスポイトでカメレオンの前に水を垂らします。
こちらも安価なので用意しておいて損はないです。
体格に合わせたおすすめタイプ

基本的にはどのタイプの給水器でもお水が必要量摂れれば問題ありません。
しかし、体格が大きくなるほど必要な水分量も多くなるので、タイプごとに向き不向きがあります。
そこで用意した給水器の中から優先して試したい、頭胴長別のおすすめタイプを紹介しておきます。
最初に以下のタイプを試して、飲まなければ他のタイプを試してみると良いと思います。
- 7cmまで…霧吹き、ドリップ型
- 7〜15cm…犬猫用(要工夫)、ドリップ型
- 15cm以上…犬猫用
頭胴長7cmまで

頭胴長7cmまでのベビーや小型種の場合、必要な水分量が少ないので、霧吹きで十分なことが多いです。
多めに霧吹きをしておくと、自分で必要量の水を飲んでくれます。
ケージが小さめであることが多いので、給水器を設置することが難しいといった事情もあります。
さらに、犬猫用の給水器は小型種からすると、もはや滝レベルなのでむしろ危険です。
最初は霧吹きから試すのがおすすめです。
霧吹きで飲まないようならドリップ型を試してみましょう。
頭胴長7〜15cm

頭胴長7~15cm程度の場合は、霧吹きだけだと必要な水分量を確保するのが大変になってきます。
体格的に犬猫用の給水器が使用できるようになってきますので試してみると良いでしょう。
ただし、そのままだと給水器にたどり着けても飲み口に届かないことが多いです。
上記画像のような足場を用意することで飲みやすくできます。
他にはドリップ型も主力な選択肢に入ってきます。
霧吹きよりは多くの水が摂取できるので、気に入ってくれると手軽です。
頭胴長15cm以上

頭胴長15cm以上の場合は犬猫用給水器がおすすめです。
このサイズ以上になると、1日に必要なお水の量は数cc以上になるので、霧吹きはもちろんドリップ型でも厳しいケースがあります。
他のタイプと比べ好きなタイミングで多くのお水を簡単に飲めるので、最初に犬猫用給水器を試してみると良いでしょう。
体格別のおすすめについて
もちろん上記のタイプ以外の給水器を使ってはいけないと言うことではありません。
ファーストチョイスとしておすすめのタイプを目安として紹介しているだけです。
ここでのおすすめ通りであることよりも、お迎えした個体の好みに合っていることが大切です。
結局は、その個体が気に入ってお水を飲んでくれるかなので、複数のタイプを事前に用意しておくことをおすすめします。
お水を飲まない理由3選
カメレオンがお水を飲まない理由はある程度決まっています。
事前にその理由を潰しておくと最初からすんなり飲んでくれたりします。
給水器を準備するのと同時に、これらの対策ができるようにしておくとよいでしょう。
水を飲まない理由3選
- 気付いていない
- 飲めない
- 何かが気に入らない
それぞれの対処法を見てみましょう。
気付いていない

1番多いのがカメレオンがお水の存在に気がついていない場合です。
これは給水器の設置場所や、給水器のタイプを変えると解決することが多いです。
事前に複数の給水器を用意するのはこの対策の一つとなります。
複数の設置場所や給水器を準備してケージ内で試しておきましょう。
飲めない

お水があることに気がついていても、給水器までたどり着けないと飲めません。
給水器の周りに安定した足場があり、無理のない姿勢でお水を飲めるか確認します。
生体の頭胴長や掴める足場の太さをよく考慮して、後で足場を足したり組み替えられる準備をしておきましょう。
何かが気に入らない

お水に気付いていて、きちんと飲める状況でも飲まない場合があります。
つまり、何かが気に入らないのです。
よくある気に入らない理由は
- 遮蔽物が少なくて落ち着かない
- 人が見ていて嫌
- 給水器のタイプが気に入らない
などです。
ケージ内であまりに遮蔽物が少ない場所に給水器を置くと飲まないことがあります。
観葉植物などで目隠しを作って安心して飲めるようにすると良いでしょう。
同じように、人目があると警戒して水を飲まないことがあります。
特にお迎え直後だとついついカメレオンを凝視しがちですが、少し見ていない時間も作ってあげると飲みやすいようです。
あとは、純粋に使っている給水器のタイプが気に入らないこともあります。
前述のブクブクでしか飲まない個体の話などが分かりやすいですが、自分なりのこだわりがある個体もいます。
わが家の例でいうと、かーくんはどの給水器でも水を飲まず、水差しから直接水を飲むのが好きでした。
私たちには理解しにくいですが、カメレオンなりの気に入らないポイントがあるので、できる限り快適になるよう配慮するのが大切です。
実はお水飲んでるかも?(閲覧注意)
ここまでカメレオンがお水を飲むか飲まないかを焦点に解説しました
しかし、実は人の目を盗んでお水を飲んでいるケースもあります。
本当にお水を飲んでいるのかいないのか、どこで見分けるのでしょうか?
カメレオンの排泄物に注目


カメレオンの排泄物は、カメレオンの健康状態を知る上で非常に大切なバロメーターです。
お水が足りているか否かは排泄物を見ればすぐに分かります。
お迎えしたカメレオンが水不足になっていないかチェックできるように少し解説しておきます。
上記写真の1枚目が適切なうんちです。
透明のゼリー状の水分が表面にたっぷりついています。
転がったりせず一箇所にまとまっているのも特徴です。
水不足の場合は2枚目のような水分の少ない状態になります。
表面に水分がほとんどありません。
良い状態よりも硬いので、うんちの本体がクリーム色の尿酸部分と離れたところに転がってしまっています。
2枚目のような状態のうんちを見かけたら、確実に水分不足です。
しかし、一見お水を飲んでいないように見えても、人の見ていないところで飲んでいることもあります。
1枚目のようなうんちが安定して出ているなら、実はお水を飲んでいるので、変に工夫をするよりもカメレオンに任せた方が安心です。
それでも心配なら?
カメレオンの排泄物で水分不足かどうかは判断がつきますが、どうしても心配で、お水を飲んでいる姿を確認したい場合もあると思います。
しかし、人前でお水を飲まないカメレオンは、人の視線の動きまで確認してから飲んでいるので簡単にはいきません。
解決策としては、ネットワークカメラを給水器の近くに設置しておく方法があります。
多くの場合でSDカードなどに録画データを保存できるので、人がいなかった時間帯に給水器に近づいたか確認できます。
外出時の様子もスマートフォンで確認できるので、1台あると安心です。

給水器の選び方 まとめ
カメレオンと暮らす中でよくある悩みの一つ、お水を飲まない問題。
いざお迎えしていきなりお水を飲んでくれないと本当に心配します。
事前に可能な限り準備をしておくと安心です。
どの給水器を気に入ってくれるのかはその個体ごとに異なるうえ、飲むか飲まないか実際に試して見ないと分かりません。
カメレオンがお水を飲まない理由をできるだけ取り除いておき、心配であればネットワークカメラなども併用しながらカメレオンの様子を注意深く観察しましょう。
最終的にはカメレオンの好みも関わってくるので、数種類の給水器を予め用意しておくことをおすすめします。
本ブログでは今回の給水器のほかに、ケージの選び方や止まり木と観葉植物の選び方を解説した記事も書いています。
飼育用品の選び方など、カメレオンをお迎えする準備についての記事を準備編カテゴリーにまとめていますので、ぜひ読んでみてください。

この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。