
カメレオンのケージ台の選び方と地震対策!! 地震から守るには?【解説】
この記事では、カメレオンの飼育ケージを載せるケージ台の選び方と、地震対策について解説します。
ただケージを置ければよい、というのであればそう悩むことではありません。
しかし、ケージとケージ台の設置方法はカメレオンの安全に大きく関わります。
- どういう製品がある?
- 地震対策っている?
- どんな対策がある?
私たちが初めてのカメレオン、“かーくん”と経験した震度4の地震。
地震対策をあまり考えていなかった当時の状況と、その後の反省から地震に負けない飼育環境の重要性を解説します。
結論から知りたい方はこちら!!
ケージ台を選ぶためには、まずケージを選んでからの方が良いでしょう。
まだ読んでいない方はケージの選び方についての記事も読んでみてください。

ケージ台売られていない問題

出典:グラステラリウムキャビネット公式サイト
いきなりですが、地震対策以前の問題で、カメレオン飼育用品としてのケージ台は現在販売されていません。
初めてカメレオンの飼育用品を用意する際に多くの方が「ケージ台が売ってない…」という問題に直面すると思います。
かーくんをお迎えしたときには大手メーカーから純正のケージ台が販売されていたのですが、今では廃番となっています。
売られなくなったはっきりとした理由はわかりませんが、後述の代用品が安価で入手性が良かったためかもしれません…。
ともかく売っていないものは購入できないので、私たち飼育者は自己責任で様々な他の製品を流用したり自作で用意をしています。
最初に、よく使われるケージ台の代用品のご紹介です。
ケージ台の代用品は?
よくケージ台の代わりに使われる製品として
- メタルラック
- スチールラック
- 水槽台
の3つがあります。
それぞれの特徴を解説します。
メタルラック
メタルラックの特徴
金属製のポールとワイヤーで構成される。
現在、爬虫類用ケージ台としては最も人気。
メリット
- 組み立てが簡単
- サイズバリエーションが豊富
- 棚板の高さの自由度が高い
デメリット
- 天板に別途板を敷く必要がある
- 耐震対策の方法が限られる
メリットとして、ボルト留めなどがなく、かなり大型でも1人で組み立てができることが挙げられます。
サイズのバリエーションが豊富で、必要なサイズの製品を見つけやすいです。
そして棚板の高さが2.5cm刻みの製品が多く、自由度が高く柔軟に対応できます。
デメリットは、棚板が網目状なので局部的に荷重がかかりやすいことです。
ガラスケージを置く場合には、棚に板やオプションパーツを敷いて平らにする必要があります。
また、耐震対策で棚を壁や床に固定する方法が限られます。
天井と床で突っ張り棒のように固定するオプションパーツを利用するしかありません。
スチールラック
スチールラックの特徴
金属製のL字型の支柱と、薄い棚板で構成される。
ケージ台としてあまり一般的ではない。
メリット
- 大型商品のラインナップが豊富
- 耐震対策がしやすい
デメリット
- 組み立てが大変
- 棚板に加工するのが難しい
- 製品によっては棚位置の変更が大変
メリットとして業務用ラインナップもあり、他のタイプよりもはるかに大型の製品が販売されています。
中型種以上をケージのみで飼育したいときには、このタイプが有力な選択肢に入ってくると思います。
そして、耐震対策も強度の高い純正オプションがあったり、一般の耐震対策用品が使用できます。
デメリットは、メタルラックと異なり組み立て時にボルト留めなどの必要があることです。
胸の高さを超えると1人での組み立ては難しいと感じます。
棚板も全て金属製なので、電動工具などが無いと穴をあけたりする加工は難しいです。
また、枠だけでなく、棚板もボルト留めで固定する製品もあるので、棚位置の変更はメタルラックほど簡単ではありません。
水槽台
水槽台の特徴
主に木製、化粧板が使用され見栄えがよい。
一頭のみ飼育する場合は使い勝手がよい。
メリット
- 扉付きの収納が付いている
- 重さがあり背が低いので安定している
- 耐震対策がしやすい
デメリット
- 奥行の狭いものが多くサイズの選択肢が狭い
- 天板の高さが固定
- 複数飼育の場合、ケージの数置く必要がある
メリットとして、他の2種と比べ見栄えがよく扉付きの収納が付いていることがあります。
単独飼育の場合は非常に使い勝手がよいです。
台本体に重さがあり、安定感もあります。
ほぼ普通の家具なので一般的な家具用耐震対策用品が使用できます。
デメリットとして、水槽向けのため奥行が狭い製品が多く、選択肢は広くありません。
簡単に言うと箱状のため、他の2タイプと異なり天板の高さが変更できないため、設置場所の検討と注意が必要です。
また、他の2タイプの場合は背の高い製品を用意しておけば、一つの台に2台以上のケージを置くことが可能です。
しかし、水槽台は複数飼育する場合はケージの数だけ台を用意する必要があります。
ケージ台の代用品まとめ
現在ケージ台の代用品として使用されている3種類の製品をご紹介しました。
繰り返しになりますが、どのタイプの製品も説明書には必ず目的外の使用を禁止する旨や、水槽を含む割れ物は乗せてはいけない旨が明記されています。
そのため、これらの製品をカメレオンのケージ台として使用する場合は自己責任となります。
残念ながら、現在は爬虫類飼育用品としてケージ台は販売されていないので、自分の判断でこれらの製品を使用するか、自作のケージ台を用意するしかありません。
おすすめのケージ台は?
以上、カメレオンのケージ台として使われる3タイプの製品たちを紹介しました。
この中でわが家のおすすめのタイプは、スチールラックと水槽台です。
理由は、地震対策のしやすさです。
スチールラックと水槽台がおすすめ
スチールラックと水槽台は平面が多いため、普通の家具向けに作られた地震対策用品を使うことができます。
後述の地震対策の項で解説しますが、この2種であれば地震対策に困ることはまずありません。
ケージ台を準備しよう!!
メタルラックは地震対策がしづらい
ケージ台として最も人気なのはメタルラックですが、他のタイプと異なり平面が極端に少なく、一般的な地震対策用品が使用できません。
そのため、純正オプションとして販売されている床と天井に突っ張るパーツを使うしかありませんが、接地面積が少なく大きな地震の対策には不安が残ります。
特にガラスケージを乗せている場合、横揺れに対してかなりの強度を持たせなければ、ケージ台ごと倒れてしまいます。
最も人気で自由度も高いメタルラックですが、カメレオンの安全を考えるとあまりおすすめできません。
出来るだけスチールラックか水槽台を使用し、併せて地震対策もされることをおすすめします。
ただし、多くのメタルラックには天井に突っ張るポールがオプションパーツとして準備されています。
このような純正のパーツは地震対策用には作られていませんが、もちろん無いよりはあったほうが遥かに安心です。
現在すでにメタルラックを使用していて、すぐにケージ台の交換が難しい場合はこういったオプションを活用するのも一つの方法です。
ポール径 | アイリスオーヤマ | ルミナス |
---|---|---|
φ25mm | シルバー用 | 47~74cm |
62~100cm | ||
96~165cm | ||
φ19mm | シルバー用 | 47~74cm |
カラー用 | 62~100cm | |
96~165cm |
スライドできます→
なぜ地震対策にこだわるのか

出典:気象庁震度データベース検索
ここまで、カメレオン用のケージ台の選び方について解説してきました。
ケージ台の選び方の基準に地震対策を重要な条件として挙げています。
他ではほとんど触れられない地震対策を、なぜここまで重要視しているのでしょうか?
実は私たちの住んでいる地域は、今でも毎年追悼の式典が行われる大きな地震を経験しています。
にも関わらず、私たちはその災害とカメレオンの防災がうまくリンクできていませんでした。
震度4の地震でも命取り
カメレオンとの楽しい生活で大きな災害の記憶も薄れていくなか、ある時に過去の光景を思い起こさせる出来事がありました。
それは、かーくんがやってきた年に遭遇した震度4の地震でした。
わが家では、かーくんがやってきた当時、ガラスケージと同じメーカーの純正ケージ台を使用していました。
水槽台のような形の製品で、簡易のずれ留めも付いていました。
しかし、震度4の地震でケージは数センチ動き、あと3cmずれていたら落下していたかもしれません。
もしこのケージが落下していたら…過去の大地震の後の室内を思い出して家族揃って真っ青になりました。
大きな地震が脅威であるのは当然ですが、人にとって震度4の地震は驚くくらいで済みます。
そんな規模の地震でもずれてしまったケージを見て、適切な対策をしておかないとカメレオンにとってはすぐに生死に関わるのだ、と痛感しました。
地震で考えられる危険
私たちの場合は、震度4の地震で運よく難を逃れました。
それは、ただ運が良かっただけです。
何も対策をしていない場合に起こり得る危険を考えてみます。
地震未対策の危険性
- ケージの落下・破損
- 生体の脱走
- 照明からの火災
- ケージへの家具の転倒
- 避難行動の遅れ
これらの危険は、地震の規模によっても変わりますが、その地震の規模やタイミングは予期できません。
予期できない危険に対する備えというのは後回しにしがちです。
しかし、私たちが遭遇した震度4の地震がもっと大規模でだった可能性もありました。
運任せで不測の事態が起こってからでは後悔してもしきれません。
これからカメレオンと暮らし始める方や、現在カメレオンと暮らしているけれど地震の対策はされていない、という方はぜひともこの機会にご検討いただければと思います。
ケージとケージ台の地震対策

ここからは、ケージとケージ台の設置における耐震対策について解説します。
カメレオンは、人のように自分で災害から身を守ることができません。
私たちにとっては小さな地震でも、ケージが落下したり破損すれば、カメレオンには命取りになります。
初回のケージ設置時に、できる限りの対策をしておきたいところです。
カメレオンの地震対策は大きく分けて3つあります。
- ケージ台の固定
- ケージとケージ台の固定
- ケージの周りの地震対策
それぞれを見てみましょう。
ケージ台の固定

出典:東京消防庁 家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック P.12
まずは、ケージ台の固定です。
東京消防庁の「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」を参照してみます。
強度のあるものでおすすめなのは、
- L字金具で壁にネジ留め
- ゲルマット+突っ張り式ポール
の2種類です。
L字金具で壁にネジ留め
家具などの固定は壁や家具に充分な強度がある場合、L字金具などによって直接家具を壁にネジ留めする方法が、最も大きな効果を得られるようです。
壁に穴を開けても大丈夫なお家であれば、一番おすすめなのはこの固定方法です。
スチールラックでも、水槽台でも確実に転倒を防ぐことができます。
ゲルマット+突っ張り式ポール

賃貸住宅などで壁に穴を開けられない場合はケージ台を床にゲルマットなどで固定し、さらに天井に突っ張るポールなどを併用すると、高い効果が得られるそうです。
わが家でも壁に穴を開けられないため、こちらの方法をとっています。
スチールラックの上下に合板をボルトで留め、床とは大きめの耐震ゲルマットで接着。
これだけでもかなり強力で、設置位置の変更の際、ラックを床から引き剥がすのに大人3人がかりでした。
それに加えて、天井との間に突っ張り式のポールを設置しています。
人ひとりの力では倒せないくらいにしっかりと固定することができました。
ケージ台地震対策をしよう!!
ケージとケージ台の固定
続いて、ケージとケージ台の固定です。
どれだけケージ台が固定されていても、ケージが落下しては意味がありません。
おすすめの組み合わせは、
- 高いケージ台+荷役ベルト
- 低いケージ+ゲルマット+荷役ベルト
の2種類です。
高いケージ台+荷役ベルト

1番おすすめなのが、ケージの天井まで入る高さのスチールラックを用意して、荷役ベルトでケージの上下を固定する方法です。
特にガラスケージは底面は接地面積がとても少なく、耐震ゲルだけで固定するのは難しいです。
またカメレオンのケージは縦長で、底面のみの固定では強い揺れで倒れてしまう可能性があります。
できれば、ケージの上下にベルトを使用した方法がよいでしょう。
わが家でもこの方法を使用しています。
低いケージ+ゲルマット+荷役ベルト

出典:東京消防庁 家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック P.19
背の低いケージ台を使用する場合は、少ない接地面にゲルマットを噛ませた上、ケージ台とケージを合わせて、荷役ベルトなどで底から一周ぐるりと固定してしまう方法が確実です。
多少不恰好ですが、水槽台など低いケージ台にこだわりがある場合この方法を検討されるとよいでしょう。
ケージの固定をしよう!!
ケージの周りの地震対策

出典:東京消防庁 家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック P.9
ケージとケージ台が固定されていて転倒や落下がなくても、気をつけるべきことがもう1つあります。
それが、ケージの周りの家具や荷物の地震対策です。
ケージの周りのものがケージに当たり、割れたり穴が空いたりすると脱走やケガの危険があります。
ケージの周りに背の高い家具や、高いところに重いものが置いてある場合は、ケージ台の固定の部分で紹介した「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」をご覧の上、確実な固定をしておきます。
また、固定できない危険物は、そもそもケージから離しておくと良いでしょう。
その他固定方法や家具の推奨配置などの詳細は、消防庁のハンドブックに掲載されていますので、ぜひ一度そちらもご覧ください。
カメレオン以外にも役立つ情報が色々と掲載されています。
ケージ台の選び方&地震対策 まとめ

この記事ではカメレオンの飼育ケージを載せるケージ台の選び方と地震対策について解説しました。
少し地味で堅苦しい内容だったかもしれません。
しかし、こういった小さな心掛けがカメレオンを守ることに繋がります。
私たちが一緒に生活したいと思い一緒暮らしてもらっているので、自分で災害を避けられないカメレオンのため最善の対策をしておくべきだと思います。
5年前の震度4の地震では運よく無事に済み、地震対策にかける時間を得た私たちは直後に可能な限りの対策をしました。
さらにめーちゃんがわが家にやってきたタイミングで、スチールラックを使用した今の形に変更。
現在までに何度か地震がありましたが、ケージは1mmも動いていません。
防災にやりすぎはないので、ケージ台選びも災害対策の一つである、という気持ちで大事な要素として選んでいただければと思います。
今回はケージ台の選び方を解説しましたが、その他ケージや止まり木など、カメレオンと暮らすための飼育用品の準備についての記事を書いています。
ぜひこちらも読んでみてください。

この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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