カメレオンのごはんタイム!! 給餌の方法と注意点まとめ!【解説】
この記事では、カメレオンに給餌する方法とその際の注意点を解説します。
カメレオンと暮らしていて最も“カメレオンらしさ”を感じることのできる瞬間が給餌の時間です。
しかし、独特の食事方法をするカメレオンに、どのような給餌をすれば良いかわからないという方もいらっしゃるとおもます。
そこで今回は、
- 給餌の方法
- 給餌の注意点
- 食べないときの対処法
など、カメレオンとはじめて触れ合う方が給餌をする場合でもわかるように解説します。
まだカメレオンと暮らしはじめたばかりで給餌についてよくわからないという方や、食べない理由がわからないという方はぜひ参考にしてください。
また、「そもそもどのような活き餌をあげたら良いかわからない」という方は活き餌の選び方を解説した記事もあるので、こちらもご覧ください。
カメレオンの給餌方法3種
はじめにカメレオンに給餌する方法について解説します。
カメレオンにごはんをあげる方法は主に3種です。
- 撒き餌
- 置き餌
- 直接給餌
それぞれにメリットとデメリットがあるので、どのような特徴があるのか解説します。
撒き餌
撒き餌はメッシュケージやガラスケージを使用する際に、ケージの中に活き餌を放す方法です。
撒き餌のメリット
- 最も食いつきが良い
- 運動量が上がる
- 舌をよく伸ばす
撒き餌の最も大きなメリットは、活き餌が最も活発に動き回ることです。
動きのある餌ほどカメレオンにはおいしそうに見えて、食いつきが良くなります。
よく動く活き餌を追いかけるため、ほかの方法と比べてカメレオンの運動量も上がります。
さらに逃げやすい活き餌を確実に食べるために舌を長く伸ばそうとするので、運動量の上昇とあわせてカメレオンの肥満防止にとても有効です。
撒き餌のデメリット
- 活き餌が行方不明になる
- 余った活き餌の回収が手間
- 鳥かご型ケージでは使えない
撒き餌はカメレオンにとってメリットが大きいですが、活き餌が行方不明になることがよくあります。
観葉植物の中に隠れていたり、植木鉢の下に潜り込んでいたり、ケージの天井に張り付いて息を潜めていたりします。
しっかり確認しないと、カメレオンが与えた活き餌をどれくらい食べたかを正確に把握できません。
余った活き餌を回収するのもそこそこな手間です。
特にコオロギなどでは、ケージの中を立体的に逃げ回るなかを捕獲しなければならず、慣れていても時間がかかります。
また、活き餌が自由に動き回れることから、鳥かご型のケージでは脱走されるため使えない方法です。
鳥かご型ケージの場合は他の方法で与えるようにします。
置き餌
置き餌は、活き餌を餌皿や小さめのプラケに入れて、ケージ内に置いておく方法です。
置き餌のメリット
- 活き餌が逃げにくい
- 食事量を正確に把握できる
- 余った活き餌の回収も簡単
それぞれの活き餌昆虫に脱走しづらい餌皿やプラケを使うことで、活き餌を1箇所に留めておくことができます。
鳥かご型ケージでも使え、複雑なレイアウトのケージでも活き餌が行方不明になりづらいです。
脱走さえしなければ食事量の把握や余った場合の回収も簡単です。
置き餌のデメリット
- コオロギには脱走されやすい
- 運動量が下がる
- 舌が伸びなくなることがある
- 活き餌が動かなくなりやすい
置き餌は管理が簡単で便利ですが、コオロギには脱走されることが多く使いづらいです。
コオロギが逃げないような深さの容器にコオロギを入れてしまうと、カメレオンが間違って容器内に落ちてしまったとき脱出できません。
コオロギで置き餌する場合は、ある程度はプラケからの脱走を覚悟するしかないでしょう。
また活き餌が容器内に留まることで、簡単に捕まえることができるため、カメレオンの運動量が落ちます。
同様に舌を伸ばす距離も縮まり、徐々に舌が伸びなくなることがあります。
容器までの距離を確実にとるようなレイアウトなど、工夫も必要です。
さらに活き餌は絶対脱出できない状況になると、動くのをやめることがあります。
動きが鈍るとカメレオン的にはおいしく見えないようなので、動かなくなった時点で食べなくなることが多いです。
直接給餌
直接給餌は、ピンセットや手で活き餌を持ってカメレオンに与える方法です。
直接給餌のメリット
- 給餌を通してコミュニケーションできる
- 舌を伸ばす距離を調節できる
直接給餌の最大のメリットは、私たちとカメレオンが給餌の時間に直接的なコミュニケーションをとれることです。
カメレオンは私たちが「食事を持ってくる」と認識することが、信頼関係を築く近道であると感じます。
給餌はカメレオンが1日で最も楽しみにしている時間です。
この楽しい時間を私たちと一緒に過ごすことで、信頼関係を深めていけます。
また置き餌とことなり、都度舌を伸ばす距離を調節できるのもメリットです。
舌が伸びなくなっていないかの確認や、舌を伸ばすためのトレーニングもできます。
直接給餌のデメリット
- ピンセットでケガすることもある
- 給餌中ずっとついていないといけない
- 慣れないと食べない場合もある
直接給餌でよく指摘される注意点に、ピンセットでのケガがあります。
- 尖ったピンセットで舌を痛める
- 金属のピンセットは舌に負担になる
- ピンセットを間違って噛むと危ない
など、ピンセットを使用する際にカメレオンにケガをさせてしまう危険があると言われます。
確かに自然界にピンセットは存在しないので、ケガの原因になり得ます。
わが家で経験したことのあるのは、竹製のピンセットを噛んだ個体が口の中をケガしたケースです。
少量の出血で翌日には傷がとこにあるかわからないほど回復しましたが、カメレオン飼育の初期ということもありかなり焦りました。
ピンセットでの直接給餌は、活き餌のつまみ方を工夫してできるだけカメレオンとピンセットが接触しないように気をつけたほうが良いでしょう。
具体的には、コオロギであればお腹のあたりをつまんで頭をカメレオンのほうに向けるのが良いと思います。
気になる方は最初から指でつまんでの直接給餌のほうが安心です。
また、すべての活き餌を直接給餌する場合、当然ながら給餌中はずっとカメレオンについていないといけません。
そう長い時間ではありませんが、他の方法と比べると時間がかかります。
そして慣れないと人前では食べない個体もいます。
無理に直接給餌にこだわると拒食してしまうかもしれません。
信頼関係を築くのに直接給餌が有効ですが、カメレオンが私たちを怖がっている状態では逆効果になります。
最初は少しずつカメレオンと距離を縮めて、適切な信頼関係になったかの確認として試すのが良いでしょう。
わが家では撒き餌+直接給餌
- 撒き餌
- 運動を促す
- 舌を伸ばすことを促す
- 直接給餌
- コミュニケーション
- 健康チェック
ここまで3種の給餌方法を解説しましたが、わが家おすすめの給餌方法も紹介します。
わが家が日々実施している給餌方法は、撒き餌と直接給餌です。
直接給餌は肥満防止に効果的
基本的には撒き餌でカメレオンの運動を促すことが大切だと考えています。
置き餌は管理が簡単で私たち飼い主にはメリットが大きいですが、カメレオンの運動不足は深刻な健康問題につながります。
そこでアダルトの場合は特に、できるだけ撒き餌でできるだけカメレオンに運動をさせ、舌を長く伸ばさせることで消費カロリーを上げることを意識しています。
よくカロリーを消費すれば、その分多くごはんを食べることができるようになるので、カメレオンにはメリットが多いです。
ときどき直接給餌も
そして、わが家では撒き餌とあわせて直接給餌も行なっています。
直接給餌はカメレオンと私たちの重要なコミュニケーションの1つです。
また舌を伸ばせる距離が縮まっていないかや、目の動きに異常がないかなどの健康チェックにもなります。
もし給餌方法を選べるのであれば、撒き餌と直接給餌がおすすめの方法です。
カメレオンの給餌の注意点
給餌全体の注意点としては以下の3点があげられます。
- 量やサイズを適切に選ぶ
- 活き餌は1時間で回収する
- 便に触れないように注意する
具体的な内容を見てみましょう。
頻度やサイズを適切に選ぶ
カメレオンの給餌の際、私たち飼育者が必ず悩むのが“どれぐらいの頻度が正解か?”という問題です。
よく見る給餌の頻度の解説では「◯日に1回、××を△匹あげましょう」といったものが多いと思います。
しかし、数を基準にカメレオンの給餌量を決めるのは危険です。
給餌量のコントロールはあくまでカメレオンの健康を中心に考えます。
簡単にまとめると以下のようになります。
- ベビー
- 食べたがるだけあげる
- 日中は活き餌を切らさない
- ヤング
- 食べたがるだけあげる
- 1日に1度満足するまであげる
- アダルト
- 体重を維持できるだけあげる
- 体型と体重を見て頻度を調整
ベビー〜ヤングは食べたいだけあげるのが基本です。
逆にアダルトは欲しがる量を与えるとあっという間に肥満になります。
成長時期や個体ごとに適量は全く異なりますので、それぞれの個体が健康を保てるよう頻度を考えましょう。
詳しくは活き餌を与える頻度とサイズについて解説した記事がありますので、こちらもご覧ください。
活き餌は1時間で回収する
撒き餌や置き餌の場合、与えてから1時間ほどたったら回収するようにしましょう。
カメレオンが1時間以上かけて食事をするのは稀です。
基本的には1時間で回収してしまって構いません。
ただし、ベビーは常に食事できる環境が必要ですので、朝給餌したら、カメレオンが寝る前に回収するというサイクルにします。
回収時には、観葉植物に活き餌の隠れやすい場所がたくさんあるのでしっかりと捜索が必要です。
中には植木鉢のソーサーとケージの床との隙間に入り込んでいたり、水の無いソーサーと植木鉢の間に入り込んでいたり、植物の葉の裏に潜んでいたりしますので、隠れられる場所はすべて確認します。
撒き餌で食べ残したり置き餌で容器から脱走した活き餌がカメレオンに噛み付いたり、睡眠の邪魔になったりします。
特にコオロギやゴキブリは夜行性かつ雑食性なので、夜間にカメレオンを食べ物と間違えて噛み付くので危険です。
置き餌は撒き餌ほどの配慮は必要ありませんが、活き餌にも給餌や給水が必要なので、給餌が終わったら回収します。
便に触れないように注意する
どの給餌方法にしても配慮が必要なのが、活き餌が便に触れないようにすることです。
もし給餌の際に便をしていたら、先に便の片付けをして方が良いでしょう。
また、撒き餌や置き餌で給餌中にカメレオンの近くを離れる場合は、可能な限り便の片付けが終わった後のタイミングがおすすめです。
カメレオンが活き餌を食べない!!
カメレオン飼育でよくあるトラブルが、拒食です。
様々な原因がありますが、主なものは
- 人が見ていると食べない場合がある
- 餌に気づいていないか舌が届かない
- 食欲が落ちている
の3つです。
それぞれの対処法を紹介しておきます。
人が見ていると食べない場合がある
直接給餌かそうでないかにかかわらず、慣れていないカメレオンは視界に人がいると食べない場合があります。
きちんと食べられるか心配なこともあると思いますが、食べない原因がわからない場合は一度カメレオンから見えない場所に移動してみるのも良い方法です。
人の様子が気になって気が散っていたのであれば、いなくなった途端に食べることがあります。
餌に気づいていないか舌が届かない
カメレオンが食べたくても食べられない場合もあり、活き餌に気づいていなかったり舌が届かないのが原因です。
ケージ内に活き餌が隠れられるところがあると、カメレオンがすべて食べる前に身を潜めてしまいます。
隠れた活き餌は見つけられないので食べてくれません。
カメレオンの視界に入るところに移動してみると良いでしょう。
同時に動いていないと食べ物と認識しないことが多いので、動かなくなった活き餌は見えるところであっても食べてくれないこともあります。
この場合は活き餌をつついて刺激して動かし、カメレオンに食べ物だと教えてあげると良いです。
また、舌が届かない場所にいる活き餌も食べたくても食べられません。
ケージのレイアウトは立体的に組んでいるはずですが、活き餌の行動範囲にカメレオンの舌の届かない場所がないかも確認しましょう。
食欲が落ちている
カメレオンが人をストレスに感じておらず、餌に気づいていて届く場所にいても食べない場合もあります。
それがカメレオン自身の食欲が落ちているときです。
食欲が落ちてしまう理由は大きく分けて2つです。
- すでにお腹がいっぱい
- 体調不良
1つは、アダルトのカメレオンによくある“活き餌の与えすぎ”です。
必要以上の食事量だと、空腹感が薄れて食欲が落ちているように見えます。
もう1つは、“体調不良”です。
こちらは病気やケガなど様々な原因が考えられます。
食べるのが負担になるような体調だと、食欲が落ちてしまいます。
食欲が落ちているように感じた場合は、原因の究明とその対処が必要です。
詳しくはカメレオンの餌飽きについての記事でまとめています。
こちらもあわせてご確認ください。
カメレオンの給餌方法 まとめ
今回はカメレオンにごはんを食べさせる給餌について、方法や注意点を解説しました。
カメレオンの食事風景は何度見ても飽きない、とても楽しいものです。
カメレオン自身も1日の中で給餌の時間が最もテンションが上がり活発に運動します。
私たち人とのコミュニケーションもできるので、とても重要なお世話の一つです。
一方で給餌はただ楽しいだけのお世話ではありません。
給餌の方法によって食い付きや運動量、舌の伸ばしかたなど色々な変化があります。
健康な暮らしをおくれるよう、それぞれの個体にあわせて適切に調節してあげてほしいと思います。
この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。