カメレオンの飼育本3冊まとめてレビュー!!【レビュー】
この記事では、Amazonで「カメレオン 飼育本」で検索するとヒットする、3冊の書籍についてレビューします。
今回レビューするのは、
- カメレオンの教科書
- カメレオン大図鑑
- カメレオン(爬虫・両生類パーフェクトガイド)
の3冊で、この3冊はすべてわが家でカメレオンの飼育のために実際に購入して読んでいるものです。
ひと口に“飼育本”と言っても、手にして確認するとこの3冊には明確なコンセプトの違いがあります。
そこでこれらの3冊がどういった内容で、どのような方におすすめなのかレビューしてみたいと思います。
カメレオンの飼育情報や専門書が欲しい、という方はぜひこちらの記事を参考にしてみてください。
カメレオン飼育本3冊の概要
細かい内容は置いておいて、はじめに各書の概要をみてみましょう。
カメレオンの教科書/笠倉出版社 の概要
まずは、笠倉出版社の「カメレオンの教科書」の概要からです。
概要は以下の通り。
書名 | カメレオンの教科書 |
---|---|
著者など | 著者: 加藤学 / 写真・編: 川添宣広 |
出版社 | 笠倉出版社 |
出版日 | 2021/6/30 |
判型 | A5 |
ページ数 | 128 |
価格 | 2,200(税込) |
今回レビューする3冊の中では、128ページと一番ページ数が少ないです。
同時に2,200円と最もお手頃な価格で入手できます。
著者は、爬虫類・両生類専門店「ORYZA(オリュザ)」店主の加藤学 氏。
煽りのコピーとして
“カメレオン飼育の基礎知識から 各種類紹介と繁殖 etc.”
と書いてあります。
購入前は書誌情報から、ページ数も少なく価格も安価なことで、専門書としてはやや頼りない印象がありました。
しかし、実際の内容は印象を良い意味で裏切る、とても充実したものです。
内容については後ほど詳しく紹介します。
カメレオン大図鑑/誠文堂新光社 の概要
次に誠文堂新光社から刊行の「カメレオン大図鑑」です。
概要は以下の通り。
書名 | カメレオン大図鑑 |
---|---|
著者など | 著者: 上原 陽子 / 写真: 川添 宣広 |
出版社 | 誠文堂新光社 |
出版日 | 2022/11/7 |
判型 | B5 |
ページ数 | 256 |
価格 | 6,600(税込) |
こちらは3冊の中で唯一のB5版、かつフルカラーであることも相まってずっしりと存在感のある本です。
価格は最も高価な6,600円。
著者はさまざまな爬虫類の繁殖を手がけるブリーダー、上原陽子 氏。
煽りのコピーには
“分類や種別解説ほか生態・飼育・繁殖について解説”
とあります。
後述の「カメレオン(爬虫・両生類パーフェクトガイド)」と同じ出版社であることから、発売時にかなり注目されました。
今回紹介する3冊の中で最も新しい本です。
カメレオン(爬虫・両生類パーフェクトガイド)/誠文堂新光社 の概要
最後は誠文堂新光社から刊行、「カメレオン(爬虫・両生類パーフェクトガイド)」です。
概要は以下の通り。
書名 | カメレオン (爬虫・両生類パーフェクトガイド) |
---|---|
著者など | 著者: 海老沼 剛 / 監修: 加藤 学 / 編集: 川添 宣広 |
出版社 | 誠文堂新光社 |
出版日 | 2011/9/21 |
判型 | A5 |
ページ数 | 255 |
価格 | 2,800(税抜) |
こちらは3冊で唯一の絶版本(2011年発売)で、出版当時の定価は2,800円(税抜)。
著者は爬虫類・両生類専門店「エンドレスゾーン」店主、海老沼剛 氏。
煽りのコピーは
“飼育+繁殖+種類解説+現地情報+Q&A etc…”
となっています。
こちらの本は、カメレオンを扱うブリーダーであればその多くが持っているであろう名著です。
日本国内のカメレオン飼育本として、長らくその基準とされてきました。
10年前出版の絶版本にも関わらずプレミア価格で取引され、前述の「カメレオン大図鑑」が発売されるまでは中古品なのに定価のおよそ2倍の値がついていました。
最近は段々と値下がり、2023年6月時点では出版当時の定価程度です。
各飼育本を比較してみる
ここまで3冊の飼育本の概要を確認しました。
しかし、どんな内容が収められているのか、概要からでは判断がつかないと思います。
特にそれぞれに付けられた煽りのコピーに至っては
- “カメレオン飼育の基礎知識から 各種類紹介と繁殖 etc.”
- “分類や種別解説ほか生態・飼育・繁殖について解説”
- “飼育+繁殖+種類解説+現地情報+Q&A etc…”
というように、どれでも同じではないかと思うほどに一様です。
どのように違うのか、3冊を比較レビューしてみたいと思います。
とは言っても詳細に本の内容を紹介するわけにはいかないので、大雑把にどのような内容がどれぐらいのバランスで収められているかに注目します。
以下が、3冊の内容を大雑把にカテゴリ分けして、そのバランスをグラフ化したものです。
こうして比べてみると、3冊が全く異なるコンセプトで作られていることがわかります。
それぞれの特徴を見てみましょう。
カメレオンの教科書/笠倉出版社 の特徴
まず、「カメレオンの教科書」の特徴は
- 飼育に関する情報が最も充実している
- 図鑑部分が少ないためページ数が少ない
- 飼育初心者におすすめしたい1冊
という感じです。
一見すると全体ページ数が他2冊の約半分ですが、少ないのは図鑑部分だけで飼育情報は最も充実しています。
全128ページの約半分がカメレオンの生態や飼育に関する情報です。
カメレオン飼育について重要なポイントを網羅し、かつ、カメレオンにはじめて触れる人でもわかりやすい言葉で書かれています。
タイトル通り、まさに飼育初心者におすすめしたい教科書のような本だと思います。
さまざまな種ごとに最適な飼育環境を写真付きで解説していたり、各種活き餌の特徴について詳細にまとめてあったり…。
この価格で手に入るのが信じられないほど、非常にコストパフォーマンスに優れる良書です。
私たちがカメレオン飼育を始めた頃にはありませんでしたが、もし当時この本があれば泣いて喜んだと思います。
初めてのカメレオン飼育情報を知るためには最適な1冊であると言えます。
カメレオン大図鑑/誠文堂新光社 の特徴
次に「カメレオン大図鑑」の特徴は、
- 図鑑部分が全体の8割を占める
- 飼育情報はブリーダー目線で書いてある
- 高価だがカメレオンの図鑑としては最高
という感じです。
大きな特徴として、タイトルに“大図鑑”とあるとおり、図鑑部分が全体の8割を占めます。
掲載されているカメレオンの種数は圧倒的で、他の書籍やネットの情報でも見られないようなマイナー種の写真も多く含まれています。
純粋に図鑑としての価値が高く、資料としても有用です。
また、飼育情報や図鑑のあいだ間にあるミニコラムには、一般の飼育者というよりもブリーダーの目線で書かれた経験談などが多いのも特徴。
私たちのような通常の飼育者では触れることがない舞台の裏側の情報なども含まれており、とても興味深いです。
ただし、煽りのコピーには“分類や種別解説ほか生態・飼育・繁殖について解説”とあるものの、今回の3冊の中では最も飼育情報のページが少ないです。
飼育情報を主目的に購入すると少々物足りないかもしれません。
図鑑としての資料的価値や、他の2冊にないような切り口の情報が本書の魅力だと言えます。
カメレオン(爬虫・両生類パーフェクトガイド)/誠文堂新光社 の特徴
最後は「カメレオン(爬虫・両生類パーフェクトガイド)」の特徴です。
- 国内カメレオン飼育本における名著
- コラムなど読み物としてもおもしろい
- 飼育情報は現在でも通用する内容
絶版となっているこちらの本をわざわざ取り上げるのは、この本が長らくカメレオン飼育本における名著として扱われているからです。
飼育情報などは、「カメレオンの教科書」と同じくらいのボリュームがあります。
この本の特徴は、カテゴリーで“その他”に分類した部分が多いことです。
カメレオンが日本でペットとして流通し始めた黎明期を知る専門家の対談や、一般飼育者が作った飼育環境のこだわりを紹介してあったり、マダガスカルの風景写真があったり…読み物としても非常に興味深いです。
出版から10年以上が経過していることもあり、図鑑部分の種分類が現在と異なる、中古での購入なので写真が色褪せてきている、など流石に古さも感じます。
しかし、カメレオン飼育に関する情報は、今も昔も変わらない基本的なポイントを押さえてあり、現在でも十分に役立つでしょう。
最近は中古価格も下がってきているので、カメレオン好きであれば買って損はない良書です。
カメレオン飼育本レビュー まとめ
今回は、現在Amazonで「カメレオン 飼育本」で検索するとヒットする書籍3冊をまとめてレビューしました。
それぞれの煽りのコピーや書誌情報ではわからない、内容に踏み込んだレビューをできたのではないかと思います。
最後に、この3冊がどういった人におすすめなのかをまとめておくと、
- カメレオンの教科書
- カメレオン飼育初心者の最初の1冊におすすめ
- カメレオン大図鑑
- 最高のカメレオン図鑑が欲しい人におすすめ
- カメレオンパーフェクトガイド
- カメレオンをより深く知りたい人におすすめ
となります。
わが家はこの記事のためにこれらの本を購入したわけではなく、新しい情報源を探してポツポツと買っていたら3冊になったので紹介してみた、という感じです。
結果的に、全部読んでみて「3冊とも買ってよかった」と思っています。
3冊それぞれに特徴があり、どの本にもカメレオン飼育に活かせる内容がありました。
とは言うものの、雑誌やコミックなどに比べると単価も高いので、書籍にこれだけのお金を費やすのには抵抗がある…と言う方もいるかもしれません。
しかし、やはり書籍として出版されている情報はその質の高さが魅力です。
もし今カメレオンの飼育で悩んでいることがあったり、より多くの視点で情報を得たいと思っているのであれば1冊買ってみてはいかがでしょうか?
この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。