温湿度管理の“要”!! カメレオンの温湿度計の選び方【解説】
2023/4/23 追記
4/18(火)にSwitchBotより「SwitchBot 防水温湿度計」が発売されました。
ディスプレイはありませんが、現在カメレオン飼育に最もおすすめの製品です。
今からカメレオン用の温湿度計を用意する場合は、SwitchBot 防水温湿度計をおすすめします。
この記事では、カメレオンのケージに設置する温湿度計の選び方を解説します。
カメレオンの生活環境を整える上でとても重要な温湿度の管理。
適切な管理をするためには温湿度計が必須です。
- 色々あるけど何が違うの?
- どんな種類がいい?
- 必要な機能は?
わが家ではカメレオンと暮らしていく中で、少しでもカメレオンと人が快適になるようさまざまな温湿度計を試してきました。
その経験から各タイプごとのメリットとデメリット、おすすめの温湿度計をご紹介します。
結論から知りたい方はこちら!!
そもそもなぜ必要なのか
カメレオン飼育において必須だと述べた温湿度計ですが、そもそもどう言う目的で設置するのでしょうか?
それは当然、温度湿度を目で確認するためです。
しかし、カメレオンのために必要とする温度湿度の管理というのは
- 「なんか暑い気がするけど今何度?」
- 「今日ジメジメするけど湿度は?」
というような、私たちが普段に温湿度計を確認するシチュエーションとは異なります。
カメレオンと暮らすにおいて温度湿度の管理とは、
“カメレオンがいる場所を24時間365日カメレオンに最適な温度湿度に保つ”ということです。
特に温度についてはエアコンなどの空調設備で管理しても、ケージの中が設定通りの温度になるというわけではありません。
また、季節の変わり目などは頻繁に気温の上下があり、こまめな温度湿度の確認と調節が必要です。
その時点の温度湿度を確認できるだけの温湿度計でも不可能ではありませんが、できればプラスαの機能を持つものが便利です。
どういった種類や機能があるのか順番に見ていきましょう。
温湿度計の形
まずは、温湿度計の形状です。
最もシンプルなのは、よくある置き型やかけ型タイプです。
しかし、カメレオン用にはこちらのタイプは不向きです。
カメレオンのケージには毎日たっぷりと霧吹きをします。
置き型やかけ型のタイプを設置してもすぐに水で壊れてしまいます。
そこで、爬虫類用の温湿度計ではプローブと言われるセンサー部が本体と別れてコードで繋がっているものがあります。
こちらであれば、故意に水に浸けたりしない限りは故障しません。
そして、プローブが付いている温湿度計にも仕様に違いがあります。
プローブで温度湿度両方を計測できるものと、プローブは温度のみで本体で湿度を測るタイプです。
できれば温度湿度両方がプローブで測れるタイプのほうが、より便利でしょう。
温湿度計の機能
温湿度計の基本的な機能は温度と湿度を測定することです。
しかし、カメレオン用に使う場合にはその他の付加機能があると便利です。
具体的には
- メモリー機能、ログ機能
- スマートフォン連携機能
- スマートホーム連携機能
- サーモスタット機能
の4点です。
付いている機能によって製品の特徴も変わってきます。
それぞれどんな機能でどういった場面で役に立つかご説明します。
メモリー機能、ログ機能
メモリー or ログ機能の特徴
メリット
- 温度湿度の管理を可視化できる
- 高機能なものはグラフ表示もある
デメリット
- 価格が高い
まず、この機能だけは多少価格が上がっても抑えておきたいメモリー機能やログ機能。
簡単に言うと過去の温度湿度の記録を残せる機能です。
最も簡易なものだと、リセットした後から現在までの最低の温度湿度と最高の温度湿度を記録するメモリー機能付きのものがあります。
毎日確認しておけば今日は最高気温が高すぎた、とか湿度が下がりすぎていたな、と言ったことを確認できます。
ただしこういった簡易なものは、どのタイミングでその数字が記録されたのかが分からないのが欠点です。
わが家の例で言うと、窓際にケージを置いているので、春や秋は最高気温が記録されるのは真昼ではなく午前10時の陽が最も広くケージを照らす時間になります。
この場合、ケージの最高気温を下げるには午前10時にカーテンを閉めておくのが適切な対処です。
しかし、最高気温と最低気温が記録されるだけだと、原因の特定が難しくなります。
そこで、随時ログを取れるタイプならば、いつどのタイミングでどれくらいの温度湿度の変化があったのかがわかります。
これがログ機能が付いていることの大きなメリットです。
詳細なログを取れるタイプは、スマートフォン連携やスマートホーム連携機能も一緒になっていることが多いです。
スマホで確認できる製品であれば、グラフ表示などで温度や湿度の変化が非常にわかりやすいのも魅力です。
スマートフォン連携機能
スマートフォン連携機能の特徴
メリット
- 温湿度計と離れても確認ができる
- 通知機能がついているものも
デメリット
- プローブや画面すらないものも
次におすすめの機能が、スマートフォンとの連携機能です。
これは読んで字の如く、温度湿度がスマホから確認できる機能です。
製品によっては設定の範囲外の温度湿度を感知すると、通知を送ってくれたりします。
通常の温湿度計は設置場所まで行かないと温湿度の確認ができませんが、スマートフォン連携機能があれば、Bluetoothなどで接続したスマホで温度湿度の確認ができます。
カメレオンのために一日に何度も温湿度計の温度や湿度を確認することになるので、この機能はかなり便利です。
通知機能もあれば、温度や湿度の確認頻度を減らすこともできるのでさらに省力化できます。
後述のスマートホーム機能付きの製品には無いプローブが付いているものもあり、ピンポイントにケージ内の温度が測定できます。
また、ログ機能も搭載している場合が多く、価格はスマートホーム機能付きよりも安価です。
スマートホーム連携機能
スマートホーム連携機能の特徴
メリット
- エアコンや保温球、加湿器を自動制御
- 屋外からでも確認、制御できる
デメリット
- プローブ付き製品がない
- 初期設定が必要
- 価格が最も高い
2023/4/23 追記
4/18(火)にSwitchBotより「SwitchBot 防水温湿度計」が発売されました。
ディスプレイはありませんが、現在カメレオン飼育に最もおすすめの製品です。
「SwitchBot 防水温湿度計」レビュー記事を書きましたので、スマートホーム連携機能のある温湿度計に興味のある方はぜひご一読ください。
最も高機能なスマートホーム機能です。
この機能が付いている製品は、残念ながら置き型タイプとかけ型タイプしかありません。
直接ケージ内に設置することが難しいのでプローブ付きの温湿度計と併用するのが前提です。
しかし、スマートリモコンでエアコンや保温球のオンオフを制御することで、カメレオンの温度湿度の管理を省力化できます。
ケージ上部やケージの近くで最も温度が高いところに設置しておくと良いと思います。
その場所とケージ内の温湿度計がどれくらい温度差があるかを考慮に入れて、エアコンなどの制御をすると言う使い方です。
100%の自動制御というわけには行きませんが、かなりの労力を省けるのでわが家でも導入しています。
ログ機能も搭載しているのが普通で、インターネットに接続されているので外出先からでも温度や湿度の確認と制御ができます。
難点をあげるならば、ケージ内に設置できない点、そして価格が高価で初期設定が必要な点です。
サーモスタット機能
ある程度自動で温度の制御がしたいけどスマートホームとかは難しそう、という方におすすめなのがサーモスタット機能のついた温湿度計です。
こちらは温度を制御するサーモスタットのおまけに画面表示がある、という製品です。
サーモスタットはペット向けでは水槽の水温の調整や、爬虫類用の保温球などの管理に使われる方法です。
機械的あるいは電気的に温度と湿度の変化を検知して、連動した制御用のシステムをコントロールします。
爬虫類用の製品では、電源プラグと電源タップの間にサーモスタット本体が挟まったような構造のものが多く、設定温度と湿度を維持するように電源タップに繋げた機器の電源をON/OFFします。
ただし、コンセントの抜き差しで電源をON/OFFできる家電以外はコントロールができません。
そのためエアコンなどで温度を下げることができないので、同じ自動制御でもスマートホーム連携よりもできることは限定されます。
おすすめの温湿度計
さまざまな機能の温湿度計をみてきましたが、それぞれの形状や機能を全て満たしている製品がなく、この機能があるとこっちの機能は付いていないという感じです。
わが家で使用したことのある製品を中心に比較すると以下のようになります。
タイプ | プローブ | ログ機能 | 手元で確認 | スマホ通知 | 自動制御 |
---|---|---|---|---|---|
爬虫類用温湿度計 | ○ | × | × | × | × |
メモリー機能のみ | ○ | △ | × | × | × |
スマートフォン連携 | △ | ○ | ○ | ○ | × |
スマートホーム連携 | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
サーモスタット付き | ○ | × | × | × | △ |
※この表ではスマートフォン連携とスマートホーム連携のタイプは、ログ機能を含んでいる前提です。
こうしてみると、どれかを選ぶと必然的に何かが足らない…ということになってします。
どのようにすればよいでしょうか?
わが家ではこうしてます
2023/4/23 追記
4/18(火)にSwitchBotより「SwitchBot 防水温湿度計」が発売されました。
ディスプレイはありませんが、現在カメレオン飼育に最もおすすめの製品です。
今からSwitchBotシリーズを導入される場合は、価格も変わらないので「SwitchBot 防水温湿度計」をおすすめします。
わが家のおすすめは、普通の爬虫類用温湿度計とスマートホーム連携機能付きの温湿度計を併用する方法です。
一番多くの機能を含むのはスマートホーム連携機能のある製品ですが、プローブがありません。
そのため、ケージの中の温度湿度を正確に測るにはプローブ付きの温湿度計の併用が望ましいです。
ただし、他と比べて製品価格が高価であること、現在スマートホームのハブやリモコンを導入をしていない場合はそれらの購入や初期設定も必要になり、導入にはややハードルが高いかもしれません。
しかし、一度スマートホームを導入するとエアコンや加湿器や除湿器、カーテンの開閉やケージの保温球まで、温度湿度の管理を自動化したり屋外からも操作できるなど、メリットは非常に大きいです。
わが家もメモリー機能付き→スマートフォン連携→スマートホーム連携と買い替え、今の形に落ち着きました。
私たちが初めてのカメレオン“かーくん”をお迎えした当時は、スマートホーム連携できる温湿度計はなかったか、日本では入手できなかったと思います。
屋外でケージの温度と湿度の確認をするため、無線機能のない普通の温湿度計の画面をネットワークカメラで撮影し、それをカメラ越しに確認する、という力技でしのいでいました。
もし最初からスマートホーム連携できる温度計の使い心地を知っていたら、一番に導入していたと思います。
みなさんも思い切って、最初からスマートホーム連携機能のある温湿度計を導入してみてはいかがでしょうか?
SwitchBot 温湿度計
わが家で使用しているのはSwitchBotというメーカーのスマートホーム連携機能付き温湿度計です。
画面のついている機械(画像右:温湿度計)が実際に温度と湿度を計測するセンサーの役割をして、もう一つの機械(画像左:ハブミニ)が温湿度計からのデータをもとにエアコンなどを制御する赤外線リモコンの役割を担います。
初めて導入される方は、温湿度計とハブがセットの商品を購入する必要がありますが、2台目以降は温湿度計のみの追加でOK。
ログ機能、スマホで確認機能と通知機能は標準装備、エアコンなど赤外線リモコンで操作する家電もこちらのセットのみで制御できます。
その他ラインナップにカーテンを自動で開閉してくれるSwitchBotカーテンや、メーカー名の由来にもなった、照明などの物理ボタンを人の代わりに押してくれるSwitchBotボットもあります。
わが家では、エアコン、加湿器、扇風機、照明、カーテン、シャッター、カメレオン用PCの電源までこちらの製品たちで制御しています。
カメレオンに出会わなければ導入することもなかったと思いますが、カメレオンとは関係なく便利なこともあって、導入のきっかけをくれたカメレオン達には感謝しています。
おすすめポイントまとめ
- 1セットでログ、通知、自動制御もできる
- 同じシリーズで機能を拡張できる
- カメレオンに関係なく普通に便利
温湿度計を準備しよう①!!
エキゾテラ デジタル温湿度計
スマートホーム連携のある温湿度計ではカバーできない、ケージの中の温度と湿度を測定するプローブ付き温湿度計です。
温度と湿度両方をプローブで測れるタイプ。
500円くらいのノーブランド品でも同じような製品がありますが、なぜか湿度表示が大きく温度表示は小さいという仕様です。
しかも通販サイトのレビューも微妙…。(不良品が多いみたいです)
それに比べ、こちらはしっかりと温度と湿度両方が確認しやすい表示で、使い勝手がいいです。
また、こちら単体にも簡易なメモリー機能が搭載されていて、本体右下のボタンで確認できるようになっています。
1日に1度確認するなどで、最高、最低の数値がSwitchBotの温湿度計とどれくらい差があるのかを確認しやすいと思います。
おすすめポイントまとめ
- 温度と湿度両方測れるプローブ
- 読みやすい画面表示
- 簡易メモリー機能付き
温湿度計を準備しよう②!!
温湿度計の設置場所
温湿度計の形状や機能、おすすめの商品についてお話ししましたが、設置場所についても触れておきたいと思います。
ケージ内の温度は保温球などの影響で上下で温度差ができます。
朝と夜で照明の種類が変わることなどから、その上下の温度差は変動し続けます。
例えば、保温球の熱量が不十分だと上下の温度差が不十分だったり、窓際にケージを設置していると日差しの影響でケージの下部の方が温度が高いといった逆転現象が起きたりします。
そのため上下両方の温度がわかるように設置しなければなりません。
簡単にいうと、温湿度計を2個用意してケージ内の上下にそれぞれ一つずつ設置します。
これが温湿度計の形状の項で触れた、プローブがあった方がカメレオンに向いているもう一つの理由です。
スマートホーム連携機能のある製品だとプローブがついていないので、先に述べた通りプローブ付きの温湿度計との併用が望ましいでしょう。
スマートホーム機能のある温湿度計のおすすめの設置場所は、ケージ上です。
照明などの熱が滞留しているので、ケージ内の温湿度計より少し高めの温度を差しますが、温度湿度の推移は大体同じような形をたどります。
ケージ内の温湿度計とどれくらいの差があるかが分かれば、その数値をもとにエアコンなどの制御をできるようになります。
プローブ付きの温湿度計はケージ内の上と下、プローブのないタイプはケージの上に乗せるのが最も使いやすい設置場所だと思います。
おすすめしない温湿度計
ここまでカメレオン用に向いている温湿度計をご紹介しましたが、念のため、逆におすすめしない温湿度計をもご紹介します。
全てわが家で試してみたものです。
- 100均の温湿度計
- 温度湿度の測定が不正確
- ディスプレイのないスマホ連携温湿度計
- スマホでしか確認できないのは不便
- 中華製無線温湿度計
- 技適無し、壊れやすいらしい
これらはカメレオン用には向きませんでした。
実際に買ってみたものの使い勝手や品質に問題があり、結局はおすすめのタイプの温湿度計に買い替えたり、使用できず返品したりしました。
前述のおすすめタイプが使い勝手も品質もカメレオン飼育用に向いていると思います。
まとめ
カメレオンの飼育環境を整える上で重要な温度と湿度の管理。
そのために必須である温湿度計の選び方について解説しました。
私たちがカメレオンと暮らし始めた時に、最も大変だと感じたのが温度と湿度の管理でした。
当時の状況の中で最善を尽くし対処しましたが、現在ではその苦労を減らせる、本当に便利な製品がたくさん販売されています。
多少初期費用がかかっても今後のカメレオンとの暮らしが快適になるよう、各ご家庭の事情にあった必要な機能がある温湿度計を選ぶと良いでしょう。
この記事で解説した温湿度計のほか、同じ温度管理に関係するバスキングライトの選び方やケージの選び方、止まり木の選び方などを解説した記事も書いています。
飼育用品の選び方など、カメレオンをお迎えする準備についての記事を準備編カテゴリーにまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。