カメレオンをお迎えしたらすぐにやるべきこと3選!!【解説】
この記事では、カメレオンをお迎えしたらすぐにやるべきことを3つ解説します。
カメレオンはお迎えしたらそれでゴールでなく、私たちはカメレオンが健康に楽しく過ごせるように気をつけなければなりません。
私たちと暮らすカメレオンはどうしたら健康で楽しく生活できるでしょうか?
きっとカメレオンをお迎えした直後は何に気を配れば良いかわからないと思います。
そこで、私たちが今までにお迎えしたカメレオン達と過ごす中で
- あの時すぐにやっておけばよかった
- これをやっていたから助かった
- 意識してなかったけど必要になった
といった経験から、カメレオンをお迎えした直後の方みんなにおすすめしたい3つのことを解説したいと思います。
具体的にお迎えしたらすぐにやっておきたいことは、
- 体調管理表の作成と記録
- 病院の評価も兼ねて健康診断
- 飼育環境の微調整
の 3 つです。
これらは主にカメレオンの健康を守っていくために非常に大切なことですが、他のところでは取り上げられることの少ない内容です。
カメレオンをお迎えしたけれど、まだやっていないことがある、というあなたはぜひチェックして毎日のカメレオンとの暮らしに役立ててみてください。
体調管理表の作成と記録
まずカメレオンをお迎えしたら、できるだけすぐに体調管理表を作り、記録をはじめます。
目視でカメレオンの体型を確認するのは当然ですが、体調に関する事柄を計測して記録するのも大事な健康管理です。
お迎え直後に体調管理表の記録をはじめるのは、ブリーダーやお店のもとで適切に管理されていた、お迎え時の状態を基準にするためです。
その後に異変を感じたり、数値に変化があったとき、お迎え直後と比べてみるといった使い方ができます。
体調管理表の具体的な内容ですが、複雑で凝ったものでなくてかまいません。
表計算ソフトにまとめてもいいですし、スマホの育児用記録アプリを使ってもいいでしょう。
重要なのはできる限り毎日記録しておくことです。
わが家が最低限記録しておいた方がよい、と考えるのは
- 体重
- 食事量
- 排泄物の状態
- 写真
の 4 点です。
健康チェックの際は、体調管理表の記録と同時にカゼのチェックもしておきましょう。
カゼの見分け方の記事を参考にしてみてください。
体重測定とその記録
カメレオンの健康状態の指標で、唯一はっきりと数値化できるのが体重です。
0.1g 単位で測れるキッチンスケールを使うのがおすすめです。
わが家ではパンサーカメレオンと暮らしていますが、ヤングに差しかかる頭胴長が 7cm くらいになったころから毎日体重測定をします。
毎日測っても体重なんてそう変わらないだろう、と思われるかもしれません。
しかし、カメレオンは何か異常が発生すると、1 日〜数日で全体重の 5 〜 10% 程度一気に痩せてしまったりします。
体重がいきなり減ってしまう代表的な理由に、カゼがあげられます。
人と同じでカメレオンも年に 1 度くらいはカゼをひき、珍しい病気ではありません。
通常は抗生剤ですぐに回復しますが、悪化に気付かないと 1 週間で命を落とすこともあります。
目視だけでは分かりにくい変化が重なり、短い期間で体調に影響が出るのがカメレオンの特徴です。
カメレオンの飼育が難しいとか、理由も分からずすぐに死んでしまう、と言われる原因の 1 つでしょう。
経験がなくカゼの症状に気付けなくても、毎日の体重測定をしているとガクッと体重が減るのですぐに異常がわかります。
カゼに限らず、体重の変化は健康に関するサインなので、毎日体重測定をするのはとても大切です。
健康な個体の選び方の記事で解説したカメレオンの体型の見方を参考に、体重と体型を照らしあわせて異常がないか確認しながら記録を残しましょう。
また、体重測定ではカメレオンと直接触れ合う“ハンドリング”が必要になります。
適切なハンドリングについて解説した記事がありますので、こちらを参考にカメレオンにストレスをかけないよう注意しながら測定をすすめてください。
食事量の記録
何かの原因で体調が少し優れなくても、食欲があればほとんどの場合で回復に支障はありません。
カメレオンの食欲は生命力のバロメーターです。
- 餌の種類
- サイズ
- 食べた数
などを後で見たときわかるように記録しておきます。
成長期なのに食べる量が増えないとか、食べた量は増えているのに体重が減っているなどの異常も起こり得ます。
記録が残っていないと「なにか違和感があるな…」くらいで終わってしまいがちです。
しっかりと記録を付けていれば、「成長期なのにご飯の量が1月ずっと増えていない!」といった風に確信を持てます。
また、異常があった際に病院で診察を受けるときも
- 何をどれだけあげてるか
- いつから異常があるか
など詳しい状況を確認されます。
情報を正しく伝えられるほど、診察の精度も高まります。
食事量の記録も体調管理の大切な要素です。
便の状態の記録
カメレオンの食欲が生命力のバロメーターであれば、カメレオンの排泄物は健康状態を示すバロメーターです。
便の状態から
- 水分が適切にとれているか
- 内臓の働きは正常か
といった、カメレオン自身を眺めても分からない情報が得られます。
たまにあるトラブルが、気がついたら何日か便をしていない…というケースです。
この“何日か”がはっきりわかれば問題の深刻さが判断できます。
しかし2日かな…?4日かな…?というような曖昧な状態ではどうしようもありません。
毎日便の確認をし、状態の良し悪しもあわせて記録しておくとよいでしょう。
写真の記録
カメレオンの様子がわかる写真も同時に残していくとより安心です。
これは他の3点だけではわからない異常に対処するうえで効果的です。
継続的でゆっくりとした体の変化は毎日触れ合っているほど分かりにくいので、過去と今を比べられる写真を残すのは良い方法です。
写真に関しては無理に表計算ソフトやアプリに記録せず、ただスマホで写真を撮っておくだけでもかまいません。
できれば日常のかわいい姿を残すのとは別に、数種類アングルを決めて毎日同じように撮影しておくと確認しやすいでしょう。
補足:体調管理表で助かった例
体調管理表をつけていたことで、異変に素早く対応できたことがあります。
わが家のめーちゃんが食事量を増やしていないのに体重が増えた時期がありました。
アダルトになってからの事だったので体重増加には違和感がありました。
通常の対応として食事量を減らしましたが、体重はさらに増えていきます。
体重が増えるなか、一方で体型が痩せているように感じました。
記録していた写真を確認すると、1週間前と比べてわずかにほっぺたや頭がボリュームダウンしているようにみえます。
食事量は減らしたのに体重が増え、体型は痩せてくるという矛盾した状態です。
数日しても状況は好転せず、気になったので病院に連れて行ったところ、腹腔内(お腹の中で内臓の外側の空間)に水がたまってしまっていることがわかりました。
体重の増加は体内にたまった水分のせいで、水の重さをのぞくと逆に痩せてしまっていたのです。
記録していた写真で気になったほっぺたと頭の脂肪のボリュームダウンは、やはり体重減少のサインでした。
体調管理表のおかげで、異変の察知から自宅での試行錯誤、病院の処置まで 2 週間で対処できました。
病院の評価も兼ねて健康診断
体調管理表のチェックなどでカメレオンの健康に異常がみつかったら、動物病院に連れていきます。
体調を崩して一刻を争うようなとき、カメレオンを託すのは本当に信頼できる先生がいいです。
当ブログではカメレオンをお迎えする際に病院を探しておく大切さをお伝えしています。
カメレオンのことを考えて、すでに評判のよい動物病院を見つけている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、本当にその病院が信頼できるかはカメレオンをカメレオンを診察してもらわないとわかりません。
そこでおすすめなのがお迎え直後の健康なうちに、病院の評価を兼ねて健康診断を受けておくことです。
信頼できる動物病院か判断する基準は、カメレオンの病院の選び方についてまとめた記事がありますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
健康診断をお願いする
エキゾチックアニマルの健康診断の内容は、その動物の種類や病院ごとにかなり違いがあります。
カメレオンの場合は、どの病院でも基本の健康診断は“視診”です。
カメレオンの体調に影響を与える変化は、多くが外見からわかります。
- 体型は適正か
- カゼをひいていないか
- MBD(代謝性骨疾患)になっていないか
- 目に異常がないか
- その他感染症の様子はないか
などなど、カメレオンの一般的な健康問題の多くが外見から診断がつくか、その手がかりを見つけられます。
視診だけなら動物病院に健康診断してもらわなくても…と思われるかもしれません。
しかし、カメレオンのお迎え直後で私たちが気付かないような些細な異変もしっかりと見つけてくれるので、獣医の先生に診てもらう意味はあります。
血液検査やレントゲン検査もやろうと思えばできますが、視診で何かの異常が見つかった際に必要があれば行うといった感じです。
健康な個体にわざわざこれらの検査をするのはストレスになるので、必要がなければ避けられる傾向があります。
同時にその病院や先生が本当に信頼ができるかも確認できる機会なので、気になることがあれば遠慮せずにどんどん聞いてみましょう。
検便も同時にしておく
カメレオンの健康診断は基本が“視診”だと述べましたが、唯一健康なカメレオンに負担をかけずにできる検査らしい検査があります。
それが検便です。
検便はCB個体の場合あまり必要性が高くありませんが、ワイルド個体の場合は特に大切な意味を持ちます。
野生下で寄生虫に感染している可能性があり、検便でこの一部を見つけられるからです。
健康な時は寄生虫がいても平気な場合もありますが、カゼなどがきっかけで免疫力が落ちると症状が表面化してきたりします。
健康診断を受ける時は検便が可能な病院か確認したうえで、できれば当日の便をラップなどに包んで一緒に持っていきましょう。
飼育環境の微調整
3つ目は、事前に用意していた飼育環境の微調整についてです。
カメレオンをお迎えする前にお店やブリーダーの意見を参考に飼育環境を準備していたと思います。
しかし、お迎えしたカメレオンの様子から、その環境の微調整が必要な場合があります。
主な調整ポイントは次の3点です。
- 温度の調整
- 止まり木の調整
- 給水器の調整
それぞれどういった基準で調整するかみてみましょう。
温度の調整
まずは温度の調整です。
お迎えしたカメレオンがケージの中のどの場所で過ごしているのか、よく観察します。
- ケージの中を歩きまわっている
- 温度は適正
- バスキングライトから離れない
- 全体に寒い
- 床付近でじっとしている
- 全体に暑い
といった感じで、カメレオンが暖かいところや涼しいところなど、どこか1か所に一日中とどまっている場合は調整が必要です。
逆に、上下移動を含んだ活発な動きが見られる場合は、ケージ内の温度は適正であると言えます。
ケージ内の温度を調整する際は、温度勾配に注意して上下の温度差がなくならないようにしましょう。
具体的な温度調整については、温湿度管理についての記事を参考にしてみてください。
止まり木の調整
次に止まり木の調整です。
止まり木が気に入ったかどうかは、夜どこの枝で寝ているかで確認します。
カメレオンには帰巣本能があり、夜に寝る枝を特定したがる傾向があります。
お迎えして1週間ほどは、毎晩どの枝で寝ているかを確認してみましょう。
- 寝る時の場所を観察する
- 1週間以内で決まれば適正
- 毎日違う枝で寝る
- 角度や太さに不満がある
- そもそも止まり木で寝ない
- どの止まり木も気に入らない
普通は数日間止まり木をカメレオンなりに調査して、その後は同じ枝で寝るようになります。
止まり木や観葉植物のセッティングなどの何かが気に入らない場合は毎晩違う枝で寝ているはずです。
もし1週間経ってもベッドの枝が決まらないようなら、止まり木の種類や太さ、観葉植物とあわせたレイアウトなどを変更して調整します。
止まり木や観葉植物のレイアウトについてはケージのセッティングの記事で解説していますので、こちらをチェックしてください。
給水器の調整
最後はカメレオンの給水器の調整です。
前述の健康管理表で便の状態を記録していて、カラカラ状態の便が出たようなら調整が必要です。
カラカラの便はカメレオンが水分をうまくとれていないことを示します。
日中にお迎えしたカメレオンがどのようにしてお水を飲んでいるか確認してみましょう。
- 全く給水器に寄り付かない
- 給水器だと気付いていない
- たどり着けない
- 給水器に近づくが飲めていない
- 足場が悪い
- 給水器のタイプがあっていない
などの理由が考えられます。
手を替え品を替え、色々な給水器を色々な場所に置いて飲むか飲まないか試してみましょう。
給水器の選び方やお水を飲んでくれない原因の解説記事がありますので、詳しくはこちらを参考にしてみてください。
お迎えしたらすぐやること まとめ
今回はカメレオンをお迎えしたらすぐにやるべきことを3つ解説しました。
どれもカメレオンが健康に暮らしていくうえで欠かせない、お迎え直後にやっておくべきことです。
私たちも初めてのカメレオン、かーくんをお迎えしたときは経験がなく、ここまで細かいケアに頭が回りませんでした。
具体的には、
- 体重測定は気が向いたら
- 病院はカゼのとき初めて行った
- 温度調整もなんとなく
というようなありさまです。
しかし、今回の記事の内容を実践するようになってから、
- 体重の変化で病気に気付けた
- よりいいと思う病院が見つかった
- 適切な温度管理ができるようになった
といったように、カメレオンの健康の維持にとても良い結果が出ています。
今カメレオンをお迎えしたばかりで、どれか1つでもまだやっていないことがあれば、できるだけ早くカメレオンとの生活に取り入れることをおすすめします。
特に、毎日の体調管理表の記録は手間がかかるので面倒に思われるかもしれませんが、最も基礎的な健康管理の手段です。
大切なカメレオンと少しでも長く楽しく生活できるよう、手間を惜しまず向き合ってあげてほしいと思います。
この記事がカメレオン飼育者の方や、これから飼い始める方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。